「集団的自衛権が違憲なら自衛隊も違憲だ!」という無茶苦茶な意見に反論
2015/11/09
安保法案や集団的自衛権が合憲だと主張する一部の人達は「だったら自衛隊も違憲だ!自衛隊を廃止しろ!」と無茶苦茶なことを言い出している。まるで自分の要望が通らないと駄々をこねる幼い子供のようだ。そんなこと言ってるから信用されないということを分かっているのだろうか?(詳しくは下記の記事を参照)
当然、自衛隊は違憲ではない。それには明確な理由がある。
憲法を作ったGHQは日本に対し「無抵抗に殺されろ」と言ったのか?
憲法9条には『戦争の放棄』が書かれている。
1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
この文面をそのままに受け止めれば自衛隊は合憲とも違憲とも読み取れる。その為現在でも議論されているわけだ。しかし、常識的に考えれば自衛隊は合憲だということは間違いないのだ。とりあえず、ポツダム宣言の第六条をご覧いただきたい。
六 我らは無責任な軍国主義が世界より駆逐されるまでは平和、安全、および、正義の新秩序が生じ得ないことを主張する。従って、日本国国民を欺瞞して世界征服の暴挙に出る過ちを犯させた者の権力と勢力は永久に除去する。
この条文には、あくまで日本の世界征服つまり侵略行為を禁止することだけしか定められていない。つまり、どこにも「自衛をするな」とは書かれていないのである。
というか、いちいちこんなこと言わなくても普通に考えればGHQが「自衛するな」などと言うわけが無いことは誰もが分かっているはずだ。「攻め込まれても自衛せず黙って死ね」という取り決めがあったとすれば、敗戦直後に日本人全員が虐殺されているはずだ。そもそも、憲法9条以外の条文を見れば「自衛するな」というニュアンスが含まれていないことは明白だ(普通に考えて、そんな人達が「基本的人権の尊重」など定義しないでしょ?)。
集団的自衛権を使わないなら自衛隊を軍隊化しないと日本を守れないのか?
最初に取上げた記事の最後はこう締めくくられている。
結局は憲法を改正して、自前の軍隊を持つという方向でしか、日本の主権と独立は守れないということである。
なぜ、集団的自衛権を行使しないと憲法改正して軍隊を持たなければいけないのだろう?無茶苦茶な主張である。
憲法改正しなくとも自衛隊を強化することは可能だ。わざわざ軍隊化してリスクを増やす必要は無い。あえて自衛隊を軍隊化するということは他国に対する攻撃姿勢を示すという事、つまり挑発行為だ。「国を守る」という発言と行動が矛盾してしまっている。
日本は「敵を作らない」姿勢を貫くべき
最良の自衛策は敵を作らない事だ。
軍隊化だけではなく集団的自衛権も敵を作る行為だ。アメリカと同調すれば多くの国が日本の敵国になるのは当たり前のこと。抑止になる可能性もあるが、それ以上に多くの国から狙われる恐れもあるのだ。
だから日本は、これまでの基本姿勢は貫き、自衛隊の強化だけに留めておくことが、国民の命を守る事に繋がる最良の選択だと私は考える。