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誰でも理解できる!集団的自衛権メリット・デメリットまとめ

      2016/07/12

『違憲(憲法違反)』と言われても半ば強引に集団的自衛権を行使出来るようにしようとしている安倍政権。また、先日には自民党の若手議員が「都合の悪いことを言うメディアを懲らしめろ」と言ったり、安倍首相の友人であり政治的価値観も近い百田尚樹氏が「沖縄新聞を潰せ」などと『言論統制』とも受け取れる発言をしました。

言ってしまえば国民の『知る権利』を奪ってまで行使出来るようにしようとしている集団的自衛権。今回は集団的自衛権が行使することでのメリット・デメリットについて誰でも理解できるように解説していきます。

集団的自衛権のメリット

まずはメリットから話しましょう。集団的自衛権賛成派がよく主張する内容です。

抑止力になる

一番のメリットは抑止力になるという事です。抑止力とは「敵から攻撃されないようにする」ということです。

つまり、集団的自衛権でアメリカとの同盟を強化することは、世界一の軍事大国を味方に付けるということです。そうすればどんな敵であろうとそう簡単には攻撃を仕掛けてこなくなるわけです。負ける戦いにわざわざ挑む国はそう無いですからね。

集団的自衛権に賛成している人の多くはこれに期待しているわけです。

国際社会貢献

世界の多くの国は集団的自衛権を行使し協力し合っています。それなのに日本は何もしなくて良いのか?何もしなければ日本の世界での立場は弱くなります。

つまり、日本も他国並みに発言力を持つ為に集団的自衛権を行使すべきという考えです。

もし戦争になっても負けない

集団的自衛権を行使すれば、日本が敵国から攻められ戦争になってしまった場合、アメリカが助けてくれる可能性が高まります。アメリカはダントツで世界一の軍事力を誇るわけですから、アメリカの協力があればまず戦争に負けることはありません。

集団的自衛権のデメリット

続いてデメリットについてです。私が反対派なのでだいぶ項目数が多いですが、内容自体は平等に書いたつもりです。

テロの抑止にはならない。むしろ逆効果

抑止力になるのは中国や北朝鮮などの『国』だけなんですよね。イスラム国などのテロへの抑止力にはなりません。世界一の軍事力を誇るアメリカが何度もテロの標的になってる事が証拠です。

つまり、集団的自衛権でアメリカと同調すると、抑止どころか日本がテロの標的になる可能性が高まるのはほぼ確実です。

【追記】:
2016年7月バングラデシュで日本人を標的とするテロ事件(IS・イスラム国系テロ)が起きました。この記事は2015年に書いたものですが早くもデメリットが現実となってしまいました。

もちろん、安保法制(集団的自衛権)を施行しなくとも日本人が標的になった可能性は有りますが、施行しなければテロの標的にされる可能性はここまで高くは無かったはずです。なぜなら、ISの第一の標的は欧米であり、安保法制を施行すれば日本は欧米の仲間だと強く認識され、欧米同様の扱いを受けるようになるからです。

挑発行為として受け取られる可能性

必ずしも中国や北朝鮮への抑止力になるとは限りません。挑発行為と受け取られてしまえば逆効果になってしまうわけです。

【追記】:
安保法制が施行されましたが、なおも中国や北朝鮮の暴走は止まりません。もしかしたら、上記の通り挑発として受け取られ逆効果になっている可能性がありますね。

ほぼ確実な自衛官の犠牲

集団的自衛権の本質はアメリカの戦争を手助けをしてその見返りに日本を守ってもらうということなんです。つまり、日本国民が平和にこれまでどおりの生活が出来ても、アメリカの戦争を手助けをする自衛官は常に死と隣り合わせになるという事です。

これまで自衛官が戦闘で死亡した例は0件なんです。しかし、集団的自衛権を行使すればその栄誉ある記録は確実にストップします。

友好国を攻撃し敵対する可能性

アメリカの敵が日本の敵とは限りません。つまり、場合によっては日本の友好国に攻撃を仕掛け人を殺さなければならないケースも出てきます。

本来自国を守る事が職務である自衛官を、政府や国民の都合でそのような残酷な役割を担わせて本当に良いのか疑問です。

後方支援、限定的容認は日本独自の概念、日本の都合は他国に関係ない

安倍首相が主張する『後方支援』や『限定的容認』。これは集団的自衛権を他国のようにフルに使うのではなく、部分的に行使するというものです。日本は憲法で戦争を放棄していますから当然のことです。

しかし、『後方支援』や『限定的容認』は日本独自の概念なんです。つまり、敵国に「日本は後方支援なので大目に見てください」などと言っても無意味です。普通に戦争に加担していると受け取られ日本も攻撃対象に加わります。

領土問題解決にはならない

尖閣諸島や竹島など、領土問題は集団的自衛権を行使しても解決しません。なぜなら「世界中どこでも起きてる問題だから」です。そんな事にまで他所の国が首を突っ込めば要らぬ争いを生んでしまいます。

そもそもアメリカが手助けしてくれる保証は無い

集団的自衛権はあくまでも日本がアメリカを手助けする権利です。つまり、日本が手助けしたところで有事の際アメリカが守ってくれる保証は無いんです。

アメリカに絶対守ってもらおうと思うなら、限定容認などせずフルサポートにする必要があるでしょう。世界一の用心棒を雇うならそれ相応の代償が必要になるはずです。

戦争に勝っても死んでしまったら意味が無い

戦争は勝ち負けではない。運良く勝てても国民の大半が死亡し、都市も壊滅的な状況になってしまっては意味が無いんです。それなら早々と降参して犠牲を最小限に留めた方がマシです。

日本人は過去の大戦で戦争の悲惨さを知ったわけです。だから、再び戦争になった時点で負けたようなものなんですよね。同じ過ちを繰り返すようなものですから。大切なのは戦争をしない事です。

特定勢力に加勢することは国際貢献ではない

戦争は正義と悪の戦いでは無いのです。互いに戦う理由があるわけです。お互いが自分が正義だと思い相手が悪だと思い込む。どちらが正しいとは言えません。価値観は多様だからです。

もし、絶対的な悪があるなら、それを制する側に加勢することは国際貢献だと言えます。しかし、現実は違うわけです。どちらも正義であり悪でもある。だから、一方に加勢する事は国際貢献とは言えないのです。あるのは加勢して人を殺したという事実だけです。

追記:そもそも抑止力になっていない

先ほど書いた「挑発行為として受け取られる可能性」と内容が重複しますが再度書きます。

2016年4月に安保法制が施行され集団的自衛権の行使が可能になりました。そして、抑止力が高まり中国や北朝鮮の行動が抑制されるかと思いきや全くそんな気配はありません。

施行後はより盛んに中国機が自衛隊に挑発的行為をして、北朝鮮は核実験やミサイル実験をより盛んに行っています。つまり、全く抑止力になっていないという事です。

むしろ、結果だけ見れば事態は悪化しています。抑止力にはなっていないし、テロの標的になり日本人7名が犠牲になるという悲惨な結果になったわけです。

「安保法制が施行されてなければもっと悪化している!」と主張する人もいると思いますが、それを知る余地はありませんよね? 政策において重要なのは結果です。政治家や国民は事態が悪化しているという”結果”を真摯に受け止め改善策を模索しなければならないのです。

集団的自衛権以外で日本を守る為の策を提案

集団的自衛権はここまで述べたようにメリット以上にデメリットが多いと私は思います。

国際情勢に合わせ日本の防衛力を高めると言うなら、自衛隊を強化すれば良いと思います。自衛隊の「戦争をしない」という姿勢はそのままに、軍備を強化するだけなら中国や北朝鮮への挑発行為にもなりませんし、テロの標的になったり、友好国を攻撃しなければならないなんてことにもなりません。

「中国に勝てるぐらいの軍事費なんて投入できないだろ」と言う人もいるでしょうが、先ほども言ったように『戦争になった時点で負け』です。つまり、抑止になる程度の武装があれば良いわけです。

例えば、日本が中国の半分しか軍事力が無くても、半壊させる事は可能なわけです。それだけ大きな犠牲を払ってまで日本を侵略するメリットは無いでしょう。戦争は利益を得るために行わるので、損害が利益を上回れば戦争は起きません(宗教戦争除く)。

おわりに

どんな結果になるかは実行してみないと分からないですよね。結局は。だから、集団的自衛権に賛成するも反対するもどちらが正解とかは無いわけです。

大切なのは国民一人一人が考え、納得のいく選択をし、国民の意思を政治に反映させる事なんです。

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