医療デマを量産したDeNA運営サイトWelqがサービス停止。今後の展開はどうなる?
以前から問題になっていたDeNAが運営する医療系・ヘルスケア系キュレーション(まとめ)サイト「Welq」がサービスを休止しました。
休止した理由は虚偽の医療情報(つまりデマ)やモラルに反する情報を平然と配信していたことにあります。
人の弱みに付け込む悪質業者まがいの行為
中でも問題になったのは、「死にたい」というキーワードでSEO対策をし検索上位に表示させ、最終的に転職サービスのアフィリエイトリンクに誘導したことです。
[死 にたい]でSEOされたwelq(運営:DeNA)の大きな問題
[死 にたい]でSEOされたwelq(運営:DeNA)の大きな問題
というように、「死にたい」と精神的に追い込まれている人をカモにして企業利益を得ているわけです。
「死にたい」と悩む人への改善策を提示していると言えば聞こえは良いかも知れませんが、Welqの場合は”アフィリエイトありき”なんですよね。
「転職サイトに誘導してアフィリエイト報酬を得る」という目的が前提としてあって、成果が望めそうな対象として「死にたい」と悩む人が選ばれたわけです(鬱状態の人は洗脳しやすいわけです)。
これは人の弱みに付け込む悪徳業者そのものです。そういうことをDeNAのような大手企業がやっているわけですから相当深刻な問題ではないでしょうか?
問題性を認識して運営していた罪は重い
Welqは誰でも投稿できるサイトではなく、DeNAがライターを雇って(基本的には外注)記事を書かせているんですよね。つまり、DeNA内部の人間が承認して公開しているわけです。
その上で、記事内容には責任負わないと記載していた事には開いた口が塞がりません。
一企業がライターを雇って書かせた記事について責任を負わないって普通はあり得ないことですよ。「大手だから信頼できる!」と騙される人は山ほどいるわけですし。
しかも医療情報ともなれば命に関わるわけです。Welqは検索上位を独占するぐらい高い影響力のあるサイトなので、既にこの情報を真に受けたことで亡くなった人がいる可能性は高いと思います。
このレベルになると警察が介入すべきだと思います。
Welqの今後はどうなる?
Welq公式によると、「医師や薬剤師などの専門家による医学的知見および薬機法をふまえた監修体制を速やかに整える」とありますが、ホント今更感がありますよね。医療情報を扱うサイトなら大前提なはずです。
専門家の監修体制を整えると言っても、素人が書いた記事を専門家が一字一句添削するなんて非現実的なんですよね。
専門家はキチンと文献を調べ事実確認を取ります。素人のテキトー記事にそんな労力を割くなんてあり得ないのです。そんなことをするぐらいなら専門家自身が記事を書いた方が余程効率的でしょう。
そう考えると、今までの様な素人ライターに外注して記事を大量生産してアクセスを稼ぐという事は実質不可能になるかと思います。それで困るのはDeNA社員や外注ライターだけなので歓迎すべきことですね。
多くのアフィリエイトサイトは同類
Welqに限らず大半のアフィリエイトサイトは事実確認がなされていないデマまがいの情報を拡散して利益を得ています。「保守速報」の様なヘイト記事で利益を得るサイトも同類です。
こういう悪質なサイトがあるからアフィリエイトそのものにまで悪印象が付いている現実があるわけです。
これを期に悪質なアフィリエイトサイトを撲滅する流れが出来る事を願うばかりです。