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テロリストに『理解』を示すことは必要。『テロは無条件にNO』などと言ってるからテロは無くならない。

   

テロに断固反対だからこそテロリストの主張に耳を傾けるべきなのだ

イスラム国(ISIS、ISIL)関連の報道で批判が上がっている。

「報ステ」のISIL特集みてびっくり 「テロの一面に理解を寄せた」印象だ

記事中では「世界の報道番組では、テロは無条件にノーだ」と言い、「報道ステーションの特集は全くずれていて、大きな違和感があった。」とテレビ朝日を批判している。

私の意見は逆だ。報道ステーションの意見を支持する。テロリストの考えには『理解を示す』べきだ。

誤解の無いように言っておくが『理解』と『容認』は全く別である。私はテロを『容認』しない。

何故テロを『理解』すべきなのか?

テロは快楽殺人と違って政治的、思想的な目的がある。つまりテロリストがテロを起こすことには原因があるのだ。

目的・原因はテロ組織によって異なるわけだが、根幹部分は『憎悪』だ。人を殺してでも、または、自分の命を犠牲にしてでも成し遂げるべきことがあると彼らは思っている。その『憎悪』となる原因を『理解』し、改善していくことで未然にテロを防げるのではないか?

テロは容認出来ないし、人命を奪えば相応の罰を受けるのは当然だ。しかし、原因を理解し改善していかなければ事態は良くならないのだ。

一つ例を挙げてみよう。

『秋葉原通り魔事件』との共通点

『秋葉原通り魔事件』は2008年に日本で起きた一大事件だ。犯人は罪の無い人を殺害した。

多くの命を奪ったわけだから死刑を受けるのは当然のことだ、彼の行為は容認できない。世論も「死刑にしろ!」と騒いでいたわけだ。

しかし、犯人を死刑に処して終わりというわけにはいかない。

犯人が、

  • どんな心理状態だったか?
  • どのように育ったのか?
  • 差別的な扱いを受けていなかったか?
  • 社会的不満は無かったか?

ということを犯人の視点で考え、理解し、改善しなければ同じような犯罪が繰り返されるだけだ。つまり、同様にテロを否定するだけではなく、『理解』することがテロの撲滅への糸口になるのである。

必ずしも日本が世界常識に合わせる必要は無い

最初に言ったように、世界の報道番組は「テロは無条件にNO」を突きつけるのが常識であり、それに対してテレビ朝日の『報道ステーション』は「容認はしないが理解する」というスタンスを取り非難された。

テロを考え理解することがバッシングに繋がるのは可笑しな話だ。まるでテロを踏み絵として利用しているように感じる。

私の意見を言うと、その世界常識は「思考停止」でしかない。テロをただ否定するだけでは根本的な原因の究明を放棄することになるし、そうすれば行き着く先は武力衝突しかない。そして武力衝突は連鎖する。

考えてみて欲しい。

「テロに屈しない」といって武力行使する世界常識に則った国々と、世界常識から外れた日本、どちらが安全か?

間違いなく日本である。日本は世界で有数の治安の良さを誇る国だ。その理由は、安易に武力行使しなかったり、テロリストや犯罪者の心理を理解しようと努めてきた結果ではなかろうか?

世界の常識が必ずしも正しいとは限らない。だから日本は世界常識に合わせる必要は無いのだ。

武力行使で相手を封じ込めることはテロと同じ

テロを否定するだけで理解を示そうとしないことは思考停止ほかならないことはこれまで述べてきたとおり。

しかし、アメリカや加勢する国々はテロリストを職滅する為に武力行使をする。武力行使によって殺害されるのはテロリストだけでは無い。殺害される大半は害の無い非戦闘員(民間人)なのである。当然、女性や子供も巻き込んでいるわけだ。

そもそも、イスラム国に属する人の大半はテロリストですらない。「戦闘員」と呼ばれる人はイスラム国の中でも極一部なのである。思想的に同調しているだけなのである。彼らはいつかテロリストになるかも知れないが、それだけの理由で殺害していいわけが無い。「中国人や韓国人は反日教育を受けてるからいずれ敵になる可能性がある。だから今のうちに殺せ。」と言ってるようなものだ。

イスラム過激派組織「イスラム国」 AK-47自動小銃を手に軍事訓練をする少年兵たち

↑子供をテロの駒として使うテロリストなど容認することは出来ないが、こういう子供たちを『正義』の名の下に殺しているのがアメリカや加勢する国々なのだ。

相手を否定だけして理解することもせず、自身が『正義』だと盲目になり、見境なく殺戮を行うことは『テロリスト思考』そのものなのである。テロを否定しておいてやっていることはテロと同じなのだ。これほど滑稽なものは無い。

テロリストは「悪」だが、無害な市民を巻き込んでいる時点でアメリカや加勢する国々も「悪」なのである。「正義」とは双方にとって良い結果を生み、事態を改善することなのだ。

テロを断固否定するからこそ、テロリストと同じ様なことをやってはならないし、テロリストの思想に理解を示さなければならないのである。

右翼・保守から支持される田母神俊雄がイスラム国人質の後藤健二さんに差別発言した件について

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