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「増税延期賛成」を「安倍政権支持」にすり替え。読売新聞の偏向報道が酷い

   

先日安倍首相は消費税増税の延期を正式に発表したわけですが、読売新聞では「消費税増税を評価するか?」という旨の調査が行なわれ、「評価する」は63%、「評価しない」の31%という結果になっています。

安倍首相が、2017年4月に予定されていた消費税率の10%への引き上げを2年半延期すると決めたことを「評価する」は63%で、「評価しない」の31%を大きく上回った。

安倍首相は14年11月に1回目の延期を表明した際、再延期しないと明言していたが、今回の延期を公約違反だと「思わない」人は65%に上り、「思う」は30%だった。

前回調査(5月13~15日)で、消費増税を「延期すべきだ」との回答は69%を占めていた。今回調査でも、増税延期を評価する人が多いことから、公約違反と受け止める人は少数にとどまったとみられる。

出典:読売新聞

ハッキリ言ってしまうと典型的な世論誘導なんですよね。

読売新聞は産経新聞のような右派ではありません。しかし、何かと自民党に媚びを売るようなスタンスの記事が多いのです。右翼でも保守でもなく自民党広報誌のようになってしまっているのが現状なのです。

そう考えるには理由があります。

増税延期はアベノミクスの失敗が原因。それを英断かのように評価

私たち一般人で「アベノミクスは順調に成果を出している」と感じている人はほとんどいないはずです。

実際、CNN、ウォール・ストリート、通信社ブルームバーグ、フィナンシャル・タイムズ、ガーディアンといった海外大手メディアも辛口評価なんですよね。

4年目のアベノミクス 厳しい論調に転じた海外メデイア

アベノミクスの根幹はトリクルダウン。これは「滴り落ちる」という言葉通り、まず大手企業が恩恵を受けて、次に中小零細と順に恩恵を受けるというものです。

しかし、今はグローバル化しているので、恩恵を受けた大企業が国内で消費せず、国外で消費するという事があるわけです。そうなるとトリクルダウンは全く意味が無くなりますよね。

更に先日から問題になっているパナマ文書・タックスヘイブン。アベノミクスの上流にいる大企業が利用し、それを政府は容認しているのです。当然、内需は回らなくなるわけですよね。しかし、合法なので利用する企業には非はありません。容認している政府に責任があるのです。

というように、どう考えてもアベノミクスは失敗です。とても成功しているようには見えません。

そして、その結果「増税延期」を決断したわけです’(安倍首相は「アベノミクスは成功している、悪いのは世界経済」と言って責任回避していますが・・・)。

これを読売新聞は

「評価する」は63%で、「評価しない」の31%を大きく上回った。

(中略)

今回調査でも、増税延期を評価する人が多いことから、公約違反と受け止める人は少数にとどまったとみられる。

というように、まるで安倍首相が英断をしたかのように報じているんですよね。

不況に苦しむ国民が増税延期を評価するのは当然の事であって、アベノミクスで失敗した安倍政権を評価しているわけでは無いのです。

問うべきは増税延期の是非ではなく、そこに至るまでの過程つまりアベノミクスの是非なんですよね。

読売新聞のやってることは明らかな論点ずらしであり、自民党・安倍政権の支持率を落とさない為の世論誘導、そして、安倍首相や右翼が嫌う「偏向報道」そのものなのです。

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