【テロとどう向き合うか?】シリア武装勢力の拘束にされたジャーナリストに責任について安保法制賛成派はどう考えているのか?
アルカイダ系の武装組織「ヌスラ戦線」に拘束されたとみられるジャーナリストの安田純平さんへの非難が声がとても多いですね。確かに、人質にされるということは日本全体を危機的状況に陥れるということで間違いありません。
しかし、シリアの悲惨な現状を誰かが報道しなければならないわけです。
一方的にテロリスト側が情報を流すことになれば、次第に世界はテロリストの思想に染まっていく事はほぼ間違いないでしょう。だから、「中和」する意味でもジャーナリストの存在は重要なのです。
また、「ジャーナリストじゃなく政府や軍が報道すれば良い」と思うかもしれませんが、ジャーナリストの存在がなければ政府に都合の悪い情報は隠ぺいされます。例えば、空爆により大勢の一般人を犠牲にしている事実がそうです。犠牲になった人にとってはテロも空爆も変わらないのです。だから両面からの報道が必要なんです。
海外ジャーナリストから情報を提供してもらえば良い?
わざわざ日本人が危険を冒さなくても、世界中のジャーナリストが現地にいるんだから彼らから情報提供してもらえばいいと考える人もいるでしょう。
しかし、それはつまり日本人の代わりに犠牲になる人がいるということを意味します。
この問題は安保法制・集団的自衛権に通じる。賛成派はどう考えているのか?
この問題は、それぞれの国が協力してリスク分散するという点では安保法制・集団的自衛権と同じなんですよね。
シリアの悲惨な状況を知ってもらう為に、少しでも早く事態が収束するように、より多くの人が救出されるようにジャーナリストの存在は欠かせないと思うんです。
安保法制反対派が安田さんを批判するのは筋が通っています。反対派は「他国の争いを日本に持ち込みたくない」という考えで反対しているわけですからね。
一方で賛成派はどうでしょうか?
リスクを分散する安保法制に賛成しているのに、報道だけ反対するのは矛盾が生じます。海外での邦人救出を行うための安保法制ですから「危険地帯に行くのが悪い」で片づければ必要ないという事になりますからね。
シリア在住の日本人が200人程いますが彼らにも同じことを言うのでしょうか?そういう人たちを救うのが安保法制、集団的自衛権を施行した理由だったはずです。
政府的は都合の悪い情報を流されては困るわけですから、政府が「ジャーナリストは不要」と主張するのは分かりますが、それで困るのは我々一般人なんですよね。
日本はテロに対してどうあるべきか?
賛否両論あると思いますが、個人的にはテロのリスクを最小限に留める為にも、安保法制・集団的自衛権は施行すべきではないと思います。
テロが武力では抑止出来ないことは世界最大の武力を誇るアメリカが証明しているわけです。「9.11」では史上最悪のテロとして歴史に刻まれましたよね。
そうなると中国・北朝鮮の問題が浮上しますが、中国は尖閣諸島は別として日本本土を侵略することはまずありえませんし(そんなことすれば世界中から非難され中国の経済は終わりを迎えるでしょう)、北朝鮮は日本には関心が無いので、こちらから攻撃をしない限りは武力衝突の危険は無いでしょう。そもそも、両国ともテロリストではなく国家なので交渉の余地はあるわけです。
そして、シリアでの日本人ジャーナリストの存在について。
これは判断が難しいところですが過干渉は避け、最小限の報道で済ませるべきだと思います。理由は安保法制と同じで日本が他国の争いに首を突っ込むべきではないからです。
シリアだけでなく世界中でテロや紛争は起きています。安保法制・集団的自衛権にしろジャーナリストにしろ、あれこれ首を突っ込めば日本は世界中から標的にされてしまいます。
さらにこういったテロや紛争には宗教的問題がかかわってくるので、日本独自の価値観を持ち込めばさらに悪化させる可能性もあるわけです。こういった問題は当事者同士で解決すべきだと思います。
ですから、冷たいかも知れませんが一定の距離を保つべきだと思います。第一に日本人の命、更に言えば自分や家族の命が守れなければ意味がないのです。