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集団的自衛権が抑止力・同盟強化ならないただ1つの理由

      2015/11/06

集団的自衛権行使容認が決まってしばらく経ちますが、次第に話題に上がらなくなってきましたね。あまり良くない傾向だと思います。

ところで皆さん、日本の集団的自衛権は国際的には通用しない独自のものであることをご存知ですか?そのため安倍首相が言うような抑止力・同盟強化には繋がらない可能性が高いのです。

本題に入る前に気になるニュースを目にしたのでその紹介をします。

被爆者が「過ちを繰り返してはならない」と集団的自衛権撤回を求めるが安倍首相は拒否

先日、安倍首相は広島市で開催された原爆死没者慰霊式・平和祈念式に参列し、式辞を述べましたがその際の反応は冷ややかなもので拍手もまばらだったようです。何故なら同式典に参列していた被爆者側には安倍首相の行動は容認できることではなかったためです。

集団的自衛権「撤回を」 被爆者の訴え、首相応じず

式典で被爆者は安倍首相と面談をし集団的自衛権の撤回を求めましたが安倍首相は拒否しています。戦争経験者であり一番の被害者である人々が「過ちを繰り返してはならない」訴えているのに戦争未経験者である安倍首相がその訴えを退けるのはおかしな話です。

戦争には勝敗があります。集団的自衛権でアメリカに加勢した場合、敗戦する可能性だってあるわけです。敗戦すれば「戦わなければ良かった。」「戦争はしてはいけない」と後悔するはずです。第二次世界大戦後と同じ光景です。そうならないように被爆者は撤回を訴えているわけです。

「安倍首相は戦争はしないと言ってるからそんな心配は無用だ」と思われた方がいらっしゃると思います。その件は本記事の後半あたりで説明します。

もう一つ気になった記事を紹介します。

「人殺しは嫌です」自衛官が辞職。「人を標的」にしたものに変わった自衛隊の訓練

集団的自衛権の閣議決定は自衛官にも既に大きな影響が出ているようです。訓練内容が変わったことに嫌気をさし辞職した自衛官がインタビューを受けています。

集団的自衛権で辞職 元自衛官インタビュー

インタビューを受けた元自衛官はこのような発言をしています。

安倍政権になってから、内容が大幅に変わりました。人を標的とする訓練が始まりました。これまでは、相手を捕獲することが基本でしたが、もう今までと違います。軍隊としか思えません。

1年に2回だった実戦訓練は実際、増えました。人殺しは嫌です。これからは、自衛隊をやめる人がもっと増えるかもしれません。

今までは人に直接危害を加える訓練をしていなかったのに、人を撃つ訓練をし始めたら普通ではいられなくなります。綺麗ごとを言えば自衛の為の訓練ですが、その実態は人を殺す訓練です。「国を守るため」といって割り切れるものではありません。

匿名の記事なので本当に元自衛官のインタビューがあったのかは不明です。

しかし、集団的自衛権を行使するためには、そういった人を殺す為の訓練は必須になりますし、インタビューの元自衛官のようにそれに耐え切れなくなり辞職する人は増えるのは間違いないでしょう。自衛の為の戦争ならまだしも、日本に無関係の戦争にまで関わって命を落としたい人なんていないわけですから。

「集団的自衛権行使しても日本に無関係の戦争には関わらないでしょ。安倍首相も言ってるし」と思われる方、本当にそうでしょうか?続きで答えは明らかになります。

日本独自仕様の集団的自衛権は同盟国にとっては全く価値が無い。したがって限定容認は無くなる

安倍首相は集団的自衛権を行使するのは「日本人に危害が及ぶ場合に限定」と何度も言っています。「日本人の危機の時だけ行使するなら賛成かな」という人も多いかと思います。

しかし、ちょっと待ってください。
「日本人の危機」の時だけに行使する集団的自衛権を歓迎する国があるでしょうか?
そんな国は存在しません。

本来の集団的自衛権の意味は「同盟国への攻撃を自国への攻撃とみなし加勢すること」です。つまり、同盟国を防衛するための権利です。それに対し、日本の集団的自衛権は自国民を守る為のものなので、言ってしまえば全く逆なんです。

このような独自の集団的自衛権を歓迎する国は存在しないことは明白です。例えば「今、攻撃を受けているから助けて日本!」という要請があったとします。しかし、「日本人は既に救護済みなので加勢しません」と要請を拒否する、そういったものなのです。同盟国からしたら「ふざけんな」という感じですよね。

しかし、アメリカは日本の集団的自衛権を歓迎しています。
その理由は「限定容認」など関係なく日本が手を貸してくれると思っているからです。もしくは、裏では限定容認はいずれ無くすという方向で話が進んでいるのかもしれません。

集団的自衛権「賛成」「反対」意見と「矛盾点」のまとめ

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