北朝鮮のような思想統制が目的か?教員資格「国家免許に」
2015/07/20
国民は北朝鮮のように思想統制された教育を望んでいるのだろうか?
自民党の教育再生実行本部が教員資格を『国歌免許』にすることを安倍首相に提言した。これにはメリットとデメリットがある。個人的にはデメリットのほうが大きいと思うが。。。
教員資格を国家免許にするメリットとデメリット
メリット
これは自民党が提言するように国家が免許を出すことで教員の質が一定に保たれ、国家のお墨付きになるわけだから教員の地位が向上すると思われる。
つまり、生徒が学問をまなぶ上でハズレを引く可能性が少なくなるメリットがある。学力向上を重視する親御さんにとっては有難いことかも知れない。
ぱっと思いつくメリットはこんなところだろう。
デメリット
当然ながら自民党はデメリット・リスクを口にしない。国家免許化のデメリットは「日本の在り方」を変えてしまう可能性があるくらい大きなものだ。
国家が内容を定めるということは”国家の意見が絶対になる”ことを意味する。中には「国家の言うことは正しいに決まっている」と言う人もいるだろうが、果たしてそうだろうか?
国家を実質的に動かしているのは一部の政治家だ(現在は与党自民党)。自民党大物議員や安倍首相にも多かれ少なかれ不祥事があったように、当然、彼らも人なので間違いを犯す。しかし、教員資格を国家免許化するということは『間違いをも正しいこととする』ということなのだ。
それは、いわゆる北朝鮮のような思想統一を意味する。端から見て北朝鮮の教育は正しいだろうか?そう思う人はわずかだろう。しかし、彼らはそれを正しいと思い教育し、教育を受けているわけだ。
教育・学問に正解は無い。様々な意見・方針があって当然なのだ。だから国が介入し統制するなんてことがあってはならないのだ。
憲法違反を犯す自民党、それを受け入れる国民
そもそも『学問の自由』は憲法で定められている。つまり今自民党がやろうとしていることは憲法違反にあたる可能性がある。自民党が憲法改正を推し進めていることを考えると色々と裏があると考えざるを得ない。
自民党支持派はそれでも良いかもしれないが、もし再び民主党が政権を握ったら「こんなのは無効だ!」と憤慨するだろう。それだけ危ういことを自民党はやろうとしているわけだ。
学問に国家・政治が介入するのは先進国ではご法度だ。なのに日本はタブーを犯し途上国に逆戻りしようとしている。ましてやそれは敵対している北朝鮮や中国と同じ道を辿ることになる。先日のテレビ朝日、NHKの幹部を自民党が呼び出し”指導”した件もそうだが暴挙が目立つ。メディアと教育を政府が支配したら日本は無茶苦茶になってしまうだろう。
民主主義国家である日本で、この”独裁”とも言える提言を許してしまって良いのだろうか?日本が個人の意見が尊重される民主主義国家であり続けるにはこのような提言を受け入れるべきではないと思う。