日本人のイジメ体質は根深い。五輪ロゴ原案公開で盗用疑惑が払拭されても叩かれ続ける佐野氏
2015/11/05
先日、東京五輪2020エンブレムの原案(上図左)が公開され、盗用が疑われていたリエージュ劇場ロゴとは明らかに異なるデザインであることが判明しました。
「五輪審査員が佐野氏をかばっているに違いない!」と考える人もいるかも知れませんがそれはありえません。なぜならIOCやJOCは佐野氏にとっては客だからです。盗用なら逆にIOCやJOCが佐野氏を訴訟し、「我々の名誉を毀損した」と賠償請求をするはずですからね。
しかし、佐野氏へのバッシングは今もなお別の形で続いています。
盗用疑惑が晴れても何かと理由をつけて誹謗中傷する人達
今回の報道を知った人は「盗用だ」と騒がなくなったように思えます。しかし、一度付いた火は消える事は無く、今度は『コンセプト』を理由にバッシングを始めたようです。
そのコンセプトとは『東京五輪1964エンブレム』のリスペクトです。下記の図をご覧ください。
完成版エンブレムにはご覧のように東京五輪1964エンブレムをリスペクトしたデザインになっています。しかし、原案はその要素はありません。
これを「コンセプトがぶれてる!!」とバッシングしているわけなんですよね。
盗用を疑って散々誹謗中傷を繰り返してきた事を反省する事も無く、何かと理由を付けてバッシング。この状況を見ると盗用の事実なんてどうでもよく、イジメの対象が欲しかったと最初からそう考えていたのだと思わざるを得ません。
大の大人がこんなことで、子供のイジメ問題を無くす事が出来るわけがありませんよね。子供たちのイジメ問題を解決するには、まず大人達が意識を変えなければなりません。
デザインを修正すればコンセプトも変わるのは当たり前
そもそもロゴデザインではデザインが変わればコンセプトもおのずと変わる物なんですよね。ロゴデザインの『配色』、『配置』、『形状』、『書体』など全てに意味があるんです。つまり、修正後のデザインにも納得のいく意味を持たせなければならないんです。
「この円をくりぬいた様な形状はどういう意味があるの?」と聞かれて「何となくです」と答えるわけにはいかないんです。
だから、佐野氏は『東京五輪1964エンブレムを継承』というコンセプトを付け加えてデザインを修正したわけです。
なお、これ以外のコンセプトは原案から完成版まで一貫しています。詳しくはこちらの記事にまとめていますので良かったらご覧ください。
引っ込みが付かなくなってバッシングを続けている人もいる
根っからのイジメっこ体質の人もいれば、引っ込みが付かなくなって佐野氏を中傷している人も多いと思うんですよね。むしろ、そういう人が大多数だと思います。
心理学において『一貫性』という性質があるのですが、人は自分の行動や主張を変えることにストレスを感じる生き物なんですよね。
最初に佐野氏の盗用を疑って散々バッシングした後に「盗用は嘘だった」と判明すれば、今度は自分の立場が危うくなるわけです(無実の人を傷付けたわけですからね)。
そのため、自己防衛の為に、他にバッシング出来る要素を探し、最初の主張を正当化し一貫性を保とうとするわけです。
『負けを認めない人』がまさに分かりやすい例です。議論などしていても、明らかに内容が破綻しているのに屁理屈いって意見を押し通そうとする人いますよね(私も無いとは言い切れません・・・)。
おわりに
今回の騒動がここまで拡大し、盗用の疑惑が払拭しても火が消えないのは、「負けを認めた無くない」「失敗を認めたくない」という人間の心の弱さが招いたのだと思います。
なお、『一貫性』をはじめとした数々の人間心理を知りたければ『影響力の武器』という書籍がオススメです。少し高い書籍ですが価格以上の価値があり、amazonレビューでも高評価なので気になった方は是非読んでみてください。