台湾反日デモで集団的自衛権行使容認に猛抗議!その心情とは。
2015/11/06
先日、親日国でおなじみの台湾で日本の集団的自衛権行使容認に反対するデモが行われました。「集団的自衛権は侵略参戦権だ」「安倍反動政権を打倒せよ」などと叫んでいた模様です。
台北でも反日抗議デモ 盧溝橋事件77年で
「親日国なのに何故・・・?」と思われる方も多いかと思いますが、けして意外なことではありません。先日投稿した記事では集団的自衛権に「中国人は関心が無く韓国人は賛成する」と書きましたが、その内容とは一見すると矛盾するように思えますが、視点を変えれば意見も変わるということです。
台湾は日本の侵略を認めているわけではない
親日であるはずの台湾が何故?ということですが、当然のことですがそもそも台湾は戦時の日本軍による台湾侵略を評価しているわけでは無いのです。国の発展に協力してくれた日本や礼儀正しい日本人が好きだから親日なわけです。逆に中国・韓国は現在の日本人には好意を持っているけど侵略した日本が許せないという理由で反日なんです。
さらにいえば親日も反日も政府の意向であって国民の意思とは必ずしも一致しません。個人的に日本があまり好きじゃない台湾人もいれば、日本大好きな中国・韓国人もいるわけです。
どんなに親切にしても侵略は侵略でしかない
台湾・中国・韓国はもとより世界中で現在の日本人の人柄は幅広く受け入れられています。しかし、戦時の日本軍に否定的な国が多いのも事実です。現地民に対して親切にした事実があっても侵略は侵略です。
「中国が攻撃・侵略してくるかも知れない」と危惧されて、集団的自衛権行使で抑止を狙っているわけですが、侵略してきた中国人に親切にされたところで「侵略されてよかった」なんて思いませんよね。
集団的自衛権行使容認は日本に侵略されたアジア諸国の人々にとっては旧日本軍を彷彿とさせるものなのでデモが起きてもなんらおかしくないのです。もちろん日本はアジア諸国を侵略するようなことは無いはずですが被害者としてはトラウマなのです。
一方で集団的自衛権を評価する報道も
反対デモの一方で台湾メディア・自由時報は「地域の安定と世界平和の助けになる」と集団的自衛権を評価しました。
台湾からみた日本の集団的自衛権解禁、「地域の安定と世界平和の助けになる」―台湾メディア
記事の内容を読む限り台湾市民の意見というよりはメディア・政府の意見といった感じですね。政府やメディアの立場であれば外敵から身を守ってくれる守護者なわけですから歴史的心情を除けば賛成多数だと思います。日本と違って台湾にはメリットしかありませんからね。
「メディア・政府の意見」と書いた理由は民意を感じ取れないからです。日本では集団的自衛権閣議決定時点では反対多数となっているわけですから、日本人に近い感覚を持つ台湾人であれば反対派も多数いるはずです。
同じ親日でも民間と政府・メディアではその性質は異なるはずです。
台湾市民の親日は日本国民に対しての純粋な良好的な感情であり、台湾政府・メディアの親日は日本政府に対しての媚(金や利権)のようなものなのだと思います。