【戦争終結】ロシア・ウクライナ戦争の現実的な落とし所はどこにあるのか?【考察】
ロシアがウクライナを侵攻してから半年以上が経ちますが、ロシアとウクライナ、そして欧米各国がこの戦争の落とし所をどうするのか気になりませんか?
今回はこちらについて考察していきます。
プーチンを追い込み過ぎれば最悪の結果が起こる可能性が高い
まず、『ウクライナを徹底支援してプーチンを追い込む』というのが現在取られている戦術です。
追い込むことでプーチンから妥協案を引き出しやすくする一定の効果は見込めると思います。
ただし、追い込み過ぎれば今度はプーチンが暴走して核兵器を使用するという最悪の事態が起こる可能性が高まるという点は十分に考慮する必要があるでしょう。
「核を使えばロシアは終わりだ」という意見がありますが、ロシアが保有している核兵器は1000以上に及ぶので、核の報復合戦になればロシアだけじゃなく世界が終わるわけです。
ウクライナの領土奪還では戦争は終わらない
ゼレンスキー大統領は欧米各国の強力な支援もあってか、当初の目的だった防衛に留まらず、侵攻前にロシア系住民とロシアによって併合されたクリミアの奪還も目的に含めました。
欧米の強力があればクリミアの奪還は可能だと思います。
しかし、奪還すれば終戦・停戦は遠のきます。
ウクライナとしては奪還して終戦・停戦するのがベストなのは言うまでもありません。しかし、この状態はプーチンにとっては面子が潰された状態なので、終戦・停戦要求に応じる可能性はまず無いわけです。
また、ロシアは攻める側なので終戦・停戦に応じなくてもデメリットはほとんど無いんですよね(逆に防衛側が劣勢な場合、終戦・停戦に応じなければ長崎・広島原爆投下のようなリスクが伴います)。
戦争を終わらせるにはプーチンの一定の面子を保つ必要がある
現実路線で考えると、戦争終結にはプーチンの面子をある程度保つ必要があると思います。
なぜなら、プーチンが失脚すれば処罰を受けて実質人生が終わるわけですから、「そうなるぐらいなら…」と核戦争に舵を切る可能性が高まると思うんですよね。
プーチン自身もこれ以上リスクが大きい戦争を続けたいとは思ってはいないでしょうから、折衷案を模索して可能な限り交渉を持ち掛ける必要があると思います。
折衷案には以下の2つが考えられます。
クリミアの独立
まず、クリミアの独立。
元々、ゼレンスキー大統領もクリミアの奪還には消極的だったわけです。
なぜなら、クリミアはロシア系住民や親ロシア派住民が半数以上を占めている地域なので、無理矢理奪還したところで治安維持が困難だからです。
また、侵攻以前からウクライナ政府はロシア系住民に対して言語制限などの弾圧を繰り返していたこともあり、そういう部分を改善しなければ第二のウイグル自治区になりかねないわけです。
NATOとの協定
もう一つは、ロシアとNATOが協定を結ぶことです。
プーチンがウクライナ侵攻に至ったそもそもの理由がNATOの東方拡大です。
口約束とはいえNATOは「1インチも東方拡大しない」と発言をしているわけです。それを破った以上、責任はNATOにもあるはずです。
» “最大の失敗”は米国と口約束だけの「NATO東方拡大阻止」 | 週刊エコノミスト Online
日本が中国の勢力拡大を恐れているように、ロシアがNATOの勢力拡大を恐れているのは当然のことです。
NATOはロシアと協定を行い、ロシアの国家安全を保証する必要があると思います。
中立国が仲裁に入る
プーチンから妥協案を引き出すには中立国の存在が重要だと思います。
特に、中国です。
中国はロシア、そしてウクライナとも良好な関係を築いている国です(ウクライナは中国に武器輸出を行っています)。
双方から支持される国であれば、お互いに妥協案を受け入れやすくなるはずです。
中国に関しては台湾侵攻といった問題がありますが、今は中国に期待したいところです。