【北京五輪】高梨沙羅のスーツ違反は中国の嫌がらせだという陰謀論
北京五輪のスキージャンプ混合団体の高梨沙羅選手がスーツ違反をしたことに対し、「中国の嫌がらせだ」「中国が審査員を買収している」といった陰謀論がネットを賑わせています。
私の見解は「中国に対する言いがかりでしかない」と思いました。
五輪の審査員は各国から派遣された人が担う
ご存じない人も多いかも知れませんが、五輪の審査員は開催国ではなく各国から派遣された人が担います。
なので、開催国や特定の国籍に関係なく公平にジャッジされます。
仮に買収があったとしても、それは開催国に関係なく行われるわけです。
要するに、今回の結果が買収だと結論付ければ、今後の全ての大会、全ての競技の結果を買収だと疑う必要が出てきます。
虚しいと思いませんか?
スーツ違反は過去の大会でもたびたび起こっていた
スキージャンプのスーツ違反は今に始まった事ではありません。
昨年のワールドカップでも高梨沙羅選手はスーツ違反で失格になっています。今回と同じように競技後のチェックによって失格になりました。
オーストリアのヒンツェンバッハで開催された大会なので中国は関係ありません。
また、ポーランドの記事で申し訳ないのですが、2016年に国際スキー連盟はスーツ違反の厳格化する方針を打ち出しているんですよね。
おそらく、この方針がようやく本格的に適用され始めた結果、今大会では5人ものスーツ違反が出たのだと思います。
買収するならメダル圏内じゃないと意味が無い
『中国の審査員買収疑惑』ですが、そもそもやる意味が無いんですよね。
試合結果を見れば分かりますが、中国チームはスーツ違反による失格がゼロであるにもかかわらず、成績は最下位の10位です。
要するに、実力的に全くメダル圏内に及んでいないのです。
メダル圏内なら買収する意味はありますが、メダルに遠く及ばない実力なのにリスクを冒して買収する意味が無いことは少し考えれば分かることなんです。10位が9位になったところで何の意味もありませんからね。
相手を疑えば自分が疑われる
中国の関与を疑う声がごく一部の日本人だけであることを願います。
日本人選手も『予想を超えて好成績を出したケース』が過去にはあるわけです。
相手を疑えば、日本人選手が買収を疑われても文句が言えなくなるんですよね。
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中国のイメージはあまり良くないですが、証拠もなく言いがかりを付けることはスポーツマンシップに反する行為です。話題になれば五輪選手のモチベーションにも悪影響なので止めましょう。