右翼は中国のウイグル弾圧を政争の具にしているだけで人権など何とも思っていない理由
2022/02/08
中国共産党によるウイグル人への弾圧は人道的に許されるものではありません。
それは多くの人に共通する想いだと思います。しかし、右翼は政争の具にするだけでウイグル人の人権を守る気は無いように見受けられます。
その理由を解説していきたいと思います。
弾圧行為は右翼が支持するアメリカも加担している
昨年、イスラエルとパレスチナが武力衝突したことは記憶に新しいと思います。
発端はパレスチナ人家族が「1948年以前にユダヤ人が所有していた」ことを理由に、ユダヤ人入植者によって強制退去させられ、その件を抗議したらイスラエル当局が弾圧、多数の負傷者を出したことにあります。
ユダヤ人が所有していたことを理由に強制退去させられるのであれば、かつてパレスチナ人が所有していた住居も返還されなければ道理に合いません。
要するにパレスチナ問題はウイグル問題に近いものがあるわけです。
そして、この中東の人権問題であるパレスチナ問題について、アメリカはイスラエルの対応を支持しています。言い換えれば、アメリカはウイグル問題における中国を支持しているようなものなんですよね。また、アメリカはイスラエルを支持するだけでなく支援もしています。
右翼はそのアメリカを批判するどころか支持しているわけです。
本気でウイグル人の人権を守るのであればアメリカを批判すべきですが真逆の対応をしています。要するに、右翼はウイグル問題を政争の具にして中国を批判したいだけであり、ウイグル人の人権はどうでもいいと思っている可能性が高いと言えるわけです。
中国共産党のウイグル弾圧が強まったのはアメリカが原因
中国共産党のウイグル弾圧が強まったのは比較的最近の事です。
ではなぜ最近になってウイグルへの弾圧が強まったのか?
それは2001年に起きた『9.11 アメリカ同時多発テロ事件』です。
この事件が勃発した原因は、欧米諸国の価値観の押し付け、そして、イスラムの価値観の否定です。
アメリカは『世界の警察』と言われていますが、湾岸戦争は捏造証言(ナイラ証言)で始まり、イラク戦争は核保有の濡れ衣で始まっています。また、日本への理不尽な核攻撃すらもアメリカは正当化しています。
こんなメチャクチャな警察がイスラムに受け入れられるわけがありません。こういったアメリカの横暴な態度がテロ攻撃に繋がったのです。
この『9.11 アメリカ同時多発テロ事件』をきっかけに中国共産党はイスラム教徒が多くを占めるウイグル人によるテロを警戒して弾圧を強めたということなんです(実際、2014年頃はウイグルではテロが頻発していて、年間200件にも及んだとも言われています)。
勿論、一般的なウイグル人がテロを起こすわけではありませんし、中国共産党がやっている事はウイグル人に対する差別行為です。しかし、中国共産党的にはテロのリスクを避けたいという考えも一理あるわけです。
というわけなので、アメリカの横暴な行動が無ければ、今のような事態にはなっていなかったと私は思います。
香港問題はイギリスが原因
余談ですが、今起きている香港での弾圧ですが、これは間違いなくイギリスに原因があります。
ご存じの通り、香港は中国の地域です。
かつてイギリスが香港を植民地支配し、1997年に中国に返還されました。
そこで問題になるのが政治です。
これまで香港はイギリス政治だったので、急に中国政治になったら市民は混乱します。なので、期間を設けて香港だけ独立した政治を行うよう取り決めを行ったわけです(一国二制度)。
一国二制度の期限は2047年までとなっていて、あと25年ほどです。
香港の活動家たちは自由を守るため独立すべくデモを起こしたわけですが、中国共産党的には自国の領土を失うわけですし、敵国である米国の拠点が置かれるリスクもあるので容認出来るわけがありません(日本国内に中国領が出来るようなもの)。
双方譲れない問題なので(取り決め上は中国側に理がある)、今後はさらに大きな衝突があるかも知れません。
これもイギリスが香港を植民地支配しなければ起きなかった問題なのです。