【南北首脳会談】北朝鮮と韓国が合意。これは非核化への第一歩である
先日、韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩が首脳会談を行い、両者が「満足いく合意を得た」という報道がされました。これは非核化への第一歩として大きな成果と言えると思います。しかし、一方で不安視する人が多いのも事実です。
北朝鮮ペースの対話に不安視?
今回の合意には日本の保守や右翼を中心に「北朝鮮は信用出来ない」「時間稼ぎに決まっている」などと批判的な人が多いようです。
実際、日本は北朝鮮に裏切られた過去があるわけですから当然と言えば当然です。しかし、「相手を信用しない事には始まらない」のです。
そもそも、制裁の目的は対話のテーブルに着かせること
これまで日本やアメリカが北朝鮮に対して経済制裁を行ってきたのは、北朝鮮を対話のテーブルに着かせる為です。
そして今回、北朝鮮が対話のテーブルに着き、「対話中は核・ミサイル実験を行わない」「従来通りの米韓軍事演習は認める」という合意を得たわけです。この合意は「対話している間」という限定されたものですが、ミサイル実験の脅威にさらされていた日本にとってこの合意は大きな成果と言えると思います
対話し続ける事が安全確保に繋がる
「一時的で意味が無い」と批判的な人がいますが、本当に意味が無いのでしょうか?
そもそも、恒久的な安全保障など存在しないのです。日米同盟だって永久に続く保証は無いのです。
つまり、対話続け関係改善に努めていく事が安全確保に繋がるということなんですよね。
逆に、「武力行使で核放棄させたところで、対話を止め関係改善を止めてしまえば再び日本の脅威になりかねない」のです。
対話無くては核放棄は100%あり得ない理由
「対話には核放棄は絶対条件だ!」と主張する人もいます。
これは100%あり得ない事です。
北朝鮮の立場になって考えてみましょう。
「核放棄した途端、日米に攻撃されるかも知れない」
そういう考えが北朝鮮にはあるはずです。北朝鮮にとって核は国防に欠かせないものです(「日本も核武装すべきだ」という声もありますからね。)日本が自衛隊を放棄出来ないのと同じです。
日米が北朝鮮と敵対している限りは核放棄は不可能でしょう。ある意味、敵から「丸腰になれ」と言われている様なものですからね。
ですから、北朝鮮の非核化には「核を持つ必要は無い」と思わせるぐらい関係改善をすることが必要なのです。
今回の合意は非核化の第一歩
北朝鮮を非核化する為には大きく分けて「武力行使により無理矢理行う」か「対話で関係改善し”核が必要ない状況”にする」かの2択になるでしょう。今回の合意は後者の第一歩と言えると思います。
重要なのは「非核化させることではなく、核を必要としない状況・関係性を築くこと」です。
とは言え、日米まで韓国の様な柔和な態度を見せれば、北朝鮮が調子に乗ることは容易に想像出来ます。ですから、現時点では日米は北朝鮮を厳しく監視し、韓国は対話で関係改善を図っていくという二重構造が良いのではないかと思います。