イジメ被害者は加害者を擁護するケースも多い。その理由とは?
先日、テレビ番組でタレント・モデルの藤田ニコルさんがイジメ加害者の今後の人生を心配したことで、ネットで批判を浴び炎上する事態になってしまいました。以下の様な声がありました(しらべぇより引用)。
・テレビの影響力はすごいからこういう薄っぺらい人を出すのはやめてほしい。いじめで苦しんでいる若者に謝れ
・加害者は間接的に人殺してんだよ。一生罪悪感持てよ。なんで加害者側の肩持つん?
・にこるんイジメられてたんでしょ? だったらなんでそんなこと言うの?
・自殺した少女は実名、顔、晒されたんでしょ。なら、加害者も同様に。目には目をじゃないけど、痛い目見ないとと分かんないよ
藤田ニコルさんは過去にイジメられた経験があるということで、なぜ加害者の肩を持つのか不思議に思う人が多かったようです。
この記事の著者である私も藤田ニコルさんと似たような経験があるのですが、イジメ加害者を心配・擁護するのは異常な事では無いのです。
イジメ被害者は何を願うか?
イジメに遭ってる真っ只中の心境は絶望そのもの
イジメに遭った経験がある人は分かると思いますが、その最中の心境は絶望そのものです。「死にたい」「復讐したい」「殺したい」などなど絶望的な感情で頭が支配されます。
虐めている犯人が判明していればまだしも、犯人が分からない場合は『学校中が敵』という疑心暗鬼に囚われてしまうんですよね。
イジメが落ち着けば2通りの考えに行きつく
イジメが落ち着けば冷静に思考出来るようになります。そこで大きく分けて二通りの考えに行きつくと私は考えます。
1つは、『イジメ加害者に復讐をする』という考え。
復讐を考えている時点で冷静とは言えないかも知れませんが、そういう考えの人は多いでしょう。この考えの究極系が秋葉原無差別殺人事件の犯人の様に『社会への復讐』を理由に無差別殺人を犯すようなケースです。ただ、この考えはイジメ被害者よりもイジメ被害に遭ってない第三者が主張する傾向があるように感じますね。
個人的な考えですが、「その場でやり返せないなら復讐なんてするべきではない」と思います。稀に、学生時代イジメられた復讐を結婚して子供もいる相手に対して行うケースを耳にするのですが、いくら過去にイジメられたからと言って、結婚相手や子供を巻き込む権利は無いわけです。
もう1つは、『イジメの連鎖を断ち切りたい』という考え。
イジメられた経験がある人は『イジメそのものが憎い』と考える場合があります。ネットは「加害者も同じ目(イジメ)に遭え!)」といった意見で溢れていますが、これってイジメそのものは肯定しているんですよね。加害者にも家族や友人がいるわけですから、イジメ(復讐)が連鎖することになってしまうわけです。
藤田ニコルさんは加害者が可哀想だから擁護したのではなく、加害者を必要以上に責め立てれば行き場を失い、より凶悪な犯行をやりかねない事を心配したのだと思うんですよね。
イジメや差別がテロに繋がる
被害者遺族が見ている可能性もあるテレビ番組での藤田ニコルさんの発言は褒められたものではありません。しかし、その発言は「イジメの連鎖を断ち切りたい」という想いが強かったがゆえに出た言葉だと思うので、その考えは尊重すべきだと思います。
イジメが無くなればテロや無差別殺人といった凶悪な事件は確実に減ります。なぜなら、テロリストや無差別殺人犯は、過去にイジメに遭ったり、差別を受けた経験がある場合も珍しくないからです。
近年、テロの脅威が日本でも騒がれ始めています。その可能性を少しでも減らす為にもイジメの連鎖は断ち切らなければなりません。