【共謀罪】1億人以上の中からテロリストをどうやって探すの?
先日可決した共謀罪(テロ等準備罪)ですが、具体的にどこまで監視をするかまでは不明確なままです。テロを計画してない一般人でも監視されるのは気分の良いものではありません。
まぁ、安全の為に自由が犠牲になるのは仕方が無いかも知れませんが、今回指摘するのはそこではありません。
そもそも、「共謀罪は本当にテロ防止に効果があるのか?」ということなんです。
共謀罪では単独テロは防げない
政府が言うには共謀罪は「捜査対象は犯罪組織のみ。一般人は捜査対象にならない」としています。
これは単独テロは防げない事を意味しています。なぜなら、テロリストかどうかは一般人を一人ひとり捜査しないと分からないからです。でも政府は「一般人は捜査対象にしない」と言っているわけですから、犯罪組織に属さない単独犯によるテロは防げません。
もし、「一般人も捜査対象とする」場合でも単独テロを防ぐのは難しいでしょう。なぜなら、1億以上いる国民を一人ひとり監視するのはコスト的に不可能だからです。警察官の何割が共謀罪に関する職務に就くのかは分かりませんが、国民全員を監視するには絶対的に数が不足しているわけです。
特定犯罪組織に属さないテロリストは野放しになる
再度言いますが、政府が捜査対象とするのは暴力団、オウム真理教のようなカルト、詐欺グループといった「犯罪組織のみ」です。これまでに事件を起こしていない組織は捜査対象になりません。事件が起きてからでないと犯罪組織かどうかは分かりませんからね。つまり、テロを行う為に新しく組織を立ち上げた場合はノーマークという事になります。
共謀罪に矛盾があるのは明らか。政府の思惑は?
「テロを未然に防ぐため」と言ったり、「一般人は捜査対象にならない」と言ったりして共謀罪に矛盾があるのは明らかですよね。
テロが脅威なのは全ての国民共通することですから「共謀罪が必要」と考える気持ちは分かります。しかし矛盾のある法律ではテロを未然に防ぐのは不可能です。賛成派の人には本当にこれで良いのかもう一度考えてみてください。
そして、政府はこの矛盾に向き合おうとしません。先日、金田勝年大臣がふざけた答弁をして問題になりましたよね。つまり、政府は本気でテロを未然に防ごうとは考えていないという事になります。
反政府勢力への言論封殺が目的か?
そうなると政府が共謀罪を施行する思惑が気になりますが、私が思うに反政府勢力への言論封殺が主な目的な気がします。以前、与党議員が「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい」などと言論封殺をほのめかす発言をして問題にもなりましたし。
安保法案の時もそうでしたが反対派は過激な言葉で抗議する事が多いわけです。もちろん彼らがテロを起こした事実はありませんが、政府にとっては政策の邪魔となるわけですから黙らせたいワケです。そこで共謀罪が施行されれば、「テロを起こすかも知れない団体」とレッテルを貼り逮捕する事が可能になるわけです。もちろん、彼らも逮捕されたくはないでしょうからデモ活動を控えるようになります。
つまり、共謀罪でテロは防げなくても政権に都合の悪い存在を黙らすことは出来るわけです。だから政府は矛盾だらけでも共謀罪成立を急ぐのではないでしょうか?
そうではなく、本当にテロを未然に防ぐ為に共謀罪を成立させようとしているなら、もっと議論を深めるべきですし、矛盾も無くすべきです。