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川崎中1殺害「ごめん」と言いながら切りつけた少年は有罪?無罪?

   

川崎中1殺害事件の加害者の一人である無職(18)の裁判員裁判の初公判が行われました。

証人としてリーダー格の少年が出廷し、「『カミソン(上村さんのあだ名)ごめん』と言いながら切っていた。自分が頼んだからやったと思う」と、当時の状況を話しました。

これに対しネットの意見は、「殺したのだから同罪だ」、「止むを得なくても殺害には変わりない」などといった厳しい声が大半ですね。

でも、この証言が事実であれば無罪になる可能性があります。

自分の命の危険がある場合の行為は罪に問われない可能性がある

刑法第37条(緊急避難)では以下のように定められています。

自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

リーダー格少年の証言によると、この無職少年は暴行当時現場を離れていたが、リーダー格少年に呼び出され「やれよ」とカッターナイフを渡され、「ごめん」と言いながら切りつけたそうです。

状況的にこの無職少年が断ったら口封じの為に殺されていたはずです。だから、無職少年は殺害に加担するという選択しか選べない状況だったと考えられるわけです。

もし自分が同じ状況に陥ったら、同じ行動を取ってしまうかも知れません。本能的に自分の命を第一に考えてしまうのは避けられないからです。

こういった状況の場合、刑法第37条によって無罪もしくは減刑になることがあると定められています。

とはいえ責任が全く無いとは言い切れない

例えば、震災で今にも津波に飲み込まれそうな時に、車で人を跳ねて殺してしまった場合も、刑法第37条が適用され無罪になるはずです。そして、その人には一切の責任も無いと思います。そうせざるを得ない状況でその人を罪に問うのはあまりにも酷ですからね。

しかし、今回の事件は違います。この無職少年は(おそらく)自分の意志で不良グループに入ったわけです。

さすがに殺人までは予見出来なかったと思いますが、喧嘩や暴力ぐらいは予見できたはずです。ただの喧嘩でもエスカレートすれば結果的に死なせてしまう事があるわけです。

ですから、そういったグループに自分の意思で入った以上は、相応の責任が伴います。「脅されたから」では済まないと思います。

 

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