空爆で市民を殺害するくせに難民受け入れを拒否。アメリカの中東差別が酷い
アメリカの各州でシリア難民の受け入れ拒否表明が相次いでいる件、あまりに酷いと思いませんか?
確かにパリ同時多発テロの容疑者が難民に紛れ入国してきたという情報があるので、警戒する気持ちは分かるんですが、だったら「まず空爆を止めろ」と思うんですよね。
イスラム国への空爆で大勢の市民を犠牲にしているアメリカ
空爆とシリア難民受け入れは切り離して考えてはならない問題です。
アメリカの空爆がテロリストだけをピンポイントで攻撃出来るなら難民受け入れするかは自由だと思いますが、そうじゃないんですよね。イスラム国が支配する地域には無関係な一般人が大勢いるんです。
空爆のような広範囲攻撃ではテロリストだけに狙いを定めることは不可能ですから、一帯にいる人を無差別に殺害することになるんですよね。
難民受け入れは空爆を行う国が最低限やるべき事
空爆で無関係な市民を巻き込む以上、難民受け入れは必須です。空爆を行う国が最低限やるべきことです。
イスラム国支配地域に住んでいる一般市民が自由に支配地域を出入り出来るわけではありませんが、なんとか抜け出せた人達を「テロリストの可能性があるから」という理由で受け入れ拒否するのはあまりに非人道的ではないでしょうか?
支配地域での生活を余儀なくされている人達にとってはテロリストも空爆も命を脅かす脅威なんですよね。あえて言うと、規模の大きさ、犠牲者数という点ではテロよりも空爆のほうが脅威なんです。
テロから救うどころか、テロリストもろとも殺害している事実
市民を救うこと(難民受け入れ)を自ら拒否し、その人達を空爆で殺害していくことは、中東の人達の命を軽視している証拠です。
テロで自国民が殺害され怒るのは当然ですが、報復の為なら他国の国民の命は簡単に犠牲にしてしまうんですよね。命の扱いが軽すぎます。これは明らかに人種差別です。これでは、空爆によって犠牲になった人にとってはアメリカやフランスこそがテロリストということになってしまってもおかしくありません。
もちろん、自国民と他国民では扱いが違って当然です。余裕が無ければ自国民が優先されてしまうことは仕方が無いことです。しかし、その扱いに差があり過ぎるのは問題です。一方は救出、一方は空爆で殺害、両極端過ぎるわけです。これでは中東の人々は欧米を嫌悪し新たなテロリストを生み出しかねません。
余談:イスラム国を空爆しに行こうとしたロシア機をトルコ軍が撃墜した件
イスラム国に空爆しに行く途中と見られたロシア軍戦闘機が領空侵犯としてトルコ軍戦闘機に撃墜されました。トルコの言い分としては「領空侵犯の為警告を繰り返したが無視されたので撃墜した」というものですが、ロシアの言い分としては「領空侵犯はしてない。シリア領空内だった」と双方の言い分は異なっています。
ロシア軍パイロットとしては「このまま領空を抜ければ問題ないだろう」ということで無視したんだと思うですが、元々ロシアとトルコは関係良くありませんからね。「自国への攻撃だ」と考えた可能性も有ります。ロシア機の墜落地点はトルコとシリアの丁度境界だったので第三者から見ればイスラム国への空爆と察っして当然ですが、トルコはそうではなかったようです。
これ以上、火が広まらない事を祈るばかりです。