批判ばかりで頼りない野党でも国民の為には必要な理由
今回の参議院選挙も自民・公明の圧勝でしたね。改憲発議に必要な3分の2議席を獲得しました。
ただ、腑に落ちないのが国民の15%しか改憲草案を読んでいないんですよね。つまり、内容をよく理解せず自民・公明に投票している国民が大半だという事なんです。
しかし、こうなってしまったのは”日本の野党はとにかく弱い”からなんですよね。また、「与党の批判ばかりで全く役に立たない」といった批判的な声も非常に多いですよね。
では、野党には存在価値が無いのかと言われたらそうとは限りません。
そもそも野党の役割は与党を批判する事
安倍政権支持派の人達は「野党は批判ばかりして政権の邪魔をしてばかりだ」と度々口にしますが、野党とは本来そういうものなんですよね。
なぜなら、与党が政権を握っているわけですから、野党が批判しなければ与党はやりたい放題です。「安倍政権の暴走」がよく話題になりますが、誰も批判しなければ今頃とんでもない事になっていてもおかしくありません。実際それが行われているのが中国共産党なんです。
政治家は自分に都合の良い事しか語らない
もう一つ野党が必要な理由に「政治家は自分に都合の良い事しか語らない」というものがあります。
これは与野党問わず言えることですが、マニフェストを国民に提示する際、メリットばかり話してデメリットは一切話さないんですよね。
例えば、アベノミクス。
アベノミクスはまず富裕層が恩恵を受け、その後にそれ以外の国民が順々に恩恵を受けるという金融政策ですが、「経済回復」ばかりをアピールして、富裕層以外の国民がいつ恩恵を受けられるのかを明かしていないんですよね。5年後かも知れませんし、10年後、20年後かも知れません。でも、それを言ったら支持は得られない為、都合の良い部分だけをアピールしてそうでない部分は隠すのです。
安保法制もそうです。
「中国や北朝鮮などの脅威から日本を守る為」と必要性をアピールしますが、それに伴う最大のリスクであるテロ被害(バングラデシュで早速日本人が標的になりましたよね)や、自衛隊がアメリカの戦争に協力して犠牲になるリスクには口を閉ざします。
というように政治家は自分や所属政党に都合の良いことしか語らないのです。
そこで、野党が政策の問題点を批判することで、国民に考えるきっかけを与えるわけです。
万能な政策など存在しません。ほぼ全ての政策にはメリット・デメリットの両面があるわけです。野党がいなければデメリットを知らぬまま政策が実行され、もし政策が失敗した時、ワケも分からぬまま国民に不利益が被る事になってしまいかねないのです。
おわりに
今後行われるであろう改憲も、野党の批判が無ければ与党にとって都合の良い主張だけが並び、国民は与党の思うがままにコントロールされかねないのです。
野党は頼りないかも知れませんが、与党の都合の良い言葉に誘導されない為には欠かせない存在なのです。