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五輪エンブレム盗作騒動に思う、「日本人の民度はこの程度だったのか」と・・・

      2015/11/05

平然と他人の人生を滅茶苦茶しようとする日本人が増加中。

今もなお続く五輪エンブレムの盗用問題。先日の記事に書いたとおり、デザイナー佐野研二郎氏が99%パクっていないことは明白です。盗用ではない理由を簡単にまとめると以下の通りです。

  • ベルギーの劇場ロゴは商標登録されていない為、類似しているか調べようが無かった
  • Facebook、Twitterは騒動以前から閉鎖していた
  • ベルギーのロゴが『T』と『L』をモチーフにし、五輪ロゴは『T』と『円』をモチーフにしている
  • 五輪ロゴはグリッドにより9つのパーツに分割され、その組み合わせで様々な表現が可能
  • デザイナーが見ればパクリでないことは一目瞭然
  • 単純に考えて人生をかけた大勝負をパクリで済ませるわけが無い

こんな感じです(詳細はこちらをご覧ください)。佐野氏の会見で多くの人が「なるほど」と思った事でしょう。

しかし、プロのデザイナーと一般人では感じ方が異なるのは事実です。佐野氏のデザインを見た人でこういう意見を耳にします。

  • あんな単純なロゴ、自分でも30分で出来るわ
  • あれで金取れるのか羨ましい
  • いやいや、どうみてもパクリでしょ

なんて言葉があちこちから聞こえてきます。もちろん、そういう感想は間違っていません。実際完成品を見れば単純な図形を組み合わせただけですから誰でも簡単に真似できます。

しかし、完成に至るまでには長く険しいプロセス(経過)を踏んでいるんですよね。いくつものデザイン案を提出し、いくつものダメ出しを受け、いくつもの理不尽な思いをさせられるわけです。完成品を真似すれば数分で作れますが、こういったプロセス踏めば数十時間、場合によっては数百時間かかってもおかしくないんですよね。

と、ここまでは前置きで本題に入ります。
今回の騒動を見ていると「日本人の民度はこんなものだったのか?」と心配になるんですよね。

根拠の無い情報で平然と誹謗中傷を繰り返す人々

事実に基づかない情報で平然と誹謗中傷したり、「アイツは在日だ」と言って韓国人に責任転嫁したり、とても正気とは思えない有様なんですよね。佐野氏への中傷が盛んに行われている記事をいくつか紹介します(コメント欄が特に酷い)。

ホント、酷い有様ですよね。コメント数を見ればとても”一部”とは言えない数なんですよね。

何も、『ダサい』とか『似てる』とかそういう意見があるのは構わないんです。問題なのは曖昧な情報を元に誹謗中傷することです。しかも、今回の件は佐野氏の会見によってほぼ確実に無実である事が確定しているのに、誹謗中傷は過熱する一方です。もはや、ただの嫌がらせでしかありません。

場合によっては殺人やテロにまで発展する可能性だってある

今回の騒動は場合によっては人を殺す事になってもおかしくないんですよね。

今回は「盗用した、してない」程度で済んでいますが、これがもし殺人の冤罪だったらどうでしょうか?まったく無実の人に対して「あの人は人殺しだ」と言いふらしているようなものなんですよね。実際、芸人のスマイリーキクチさんが殺人の冤罪で長年苦しんできたという事実があります。スマイリーキクチさんは耐え凌ぐ事ができましたが、人によっては苦しみに耐え切れず自殺を選ぶ場合もあるかも知れません。

今回のような軽はずみな行動はこれ以上の致命的なリスクを招きかねません。以前、ツイッターでイスラム国(ISIS)に挑発した、とても正気とは思えない日本人が多くいましたが、最悪テロを誘発する恐れすらあるんですよね。

国民一人ひとりが簡単な事を心がけるだけでこういった問題は防げる

海外の人がこの現状を知ったら日本に対する印象は確実に悪くなるでしょうね。満を持して東京五輪2020を開催する為には、そういった負の面を改善していかなくてはなりません。

何もデザインの良し悪しを理解しろとは言いません。せめて、「盗作だ」などというデマを拡散して無実の人を誹謗中傷したり、日本を貶める事は止めるべきです。

ボロクソ言いたいのであれば盗用が確定してから好きなだけ言えばいいだけの話です。何の確証も無くボロクソ言って他人の人生を無茶苦茶にする権利が一体誰にあるというんでしょうか?

また、この異常な状況を傍観している人がほとんどである現状もおかしいと思います。学生のイジメと同じですよね。悲鳴を上げている人がいるのに大半が黙認。別にイジメを止めろとは言いません。「これはおかしい」とツイートするだけでも世論は変わってきます。簡単なことですよね。

誰がいつ同じような状況に陥るか分かりません。つまり自分自身の為でもあるわけです。不確定な事で相手を貶めない、おかしい事にはおかしいと言う、これが重要です。

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