ネトウヨは「ユダヤ虐殺をナチスのせいにしてドイツ人は反省してない」と批判するが、それの何が悪いのだろうか?
第二次世界大戦においてドイツは600万人とも言われるユダヤ人大虐殺を行いました。戦後から今日まで謝罪は続いています。
しかし、日本のネトウヨ(ネット右翼)や一部の保守層は「ドイツ人はナチス(ヒトラー)のせいにしているだけで反省なんてしてない」「ナチスをスケープゴートにしてるだけだ」と批判的です。
一体どの口が言ってるのでしょうか?
「日本はアジアを救った」とか「やむを得ない戦争だった」と言って日本の戦争を正当化するネトウヨが何故そんなことを言えるのかが不思議でなりません。
おそらく、ドイツの謝罪を認めてしまうと、謝罪すら出来ない愚かな自分を認めることになるから批判しているのでしょう。
しかし、ドイツ人が「ナチスが悪い」と言うのは責任転嫁なのでしょうか?
「ナチスが悪い」は責任転嫁ではない。むしろ正しい表現である
ドイツ人が言う「ナチスが悪い」は、日本人が言う「旧日本軍が悪い」と同じです。
これの何が問題なのでしょうか?
実際にアジア諸国を侵略し抵抗する者を殺害したのは旧日本軍です。今を生きる日本人ではありません。同様に、ユダヤ人を虐殺したのもナチスであり、今を生きるドイツ人ではありません。
ですから、「ナチスは悪い事をした」、「旧日本軍は悪いことをした」と言うのは真っ当な主張なのです。事実を伝えるのは責任転嫁でもスケープゴートでもありません。
また、中国や韓国も今の日本人を恨んでいるわけではありません。当時侵略した旧日本軍が憎いのです。その証拠に、中国も韓国も今の日本の文化が好きで交流が盛んですが、その一方で、戦時の話題になると反日感情が露になるわけです。
大切なのは罪を認め過ちを繰り返さないこと
ネトウヨのように「日本は悪くない」と罪を認めないよりも、ドイツ人のように「ナチスが悪い」と当時のドイツに非があったことを認める方が、何倍も価値があります。
ネトウヨはこれを「責任転嫁」と捉えるわけですが、そこは重要ではありません。
たとえこれが責任転嫁であったとしても、過去にドイツは大きな過ちを犯したという事実が語り継がれるわけです。これこそが重要なんです。
自分以外の他の誰かの過ちであっても語り継がれれば教訓にすることが可能なわけです。
一方で、ネトウヨが言うように「アジアを救った」「日本は悪くない」という戦争を正当化する考えが語り継がれた場合はどうなるでしょう?
日本は再び戦争を起こすはずです。
なぜなら、それが「正しい事」として語り継がれたからです。「正しい事」を躊躇する理由は無いですよね?だからネトウヨのような思想は危険なのです。
おわりに
日本は世界で唯一原爆によって被爆した国でもあります。しかし、これは日本が交戦した国に対しても同等の事をしたという証明でもあるんですよね。
日本は原爆こそ使っていませんが、「風船爆弾」という兵器で無差別にアメリカの市民を殺害しようとした事実があるのです(兵器の特性上、移動速度が遅く、約1万発がアメリカ上陸前撃墜されたとのこと)。そして、植民地支配に抵抗する罪のない人を殺害したわけです。
「旧日本軍は悪いことをした」「ナチスは悪いことをした」と悲惨な事実を語り継ぎ、「だから私たちは同じ過ちを繰り返さない」という意思を持つことが戦争の歯止めに繋がっていくはずです。
また、「日本が戦争を仕掛けなくても相手が仕掛けて来る」という意見もありますが、両者が好戦的であればほぼ100%戦争は起きますが、片側だけでも非好戦的であればその確率はグッと低くなるわけです。だからこそ、一人でも多くに戦争の悲惨さを語り継ぐ事が重要なのです。