【駐韓米大使襲撃】 謝罪の断食、犬肉見舞い、そしてパククネ訪問
先日韓国の駐韓米大使リッパート氏がキム・ギジョン容疑者によって襲撃され顔を80針を縫う大怪我を負うことになった事件。いわばテロといっても過言ではない事件だ。韓国国内では深刻な問題として扱われ謝罪の意を表す人であふれ返っている。
また、その謝罪について、ひと騒動起きているようだ。その内容は以下に挙げる3つだ。
- パククネ(朴槿恵)大統領がリッパート大使を見舞う
- 愛犬家であるリッパート大使に犬肉とワカメを贈る
- パククネ大統領の義理の弟が病院前で断食座り込み
この3つについて私の意見を述べる
パククネ大統領がリッパート大使を見舞う
報道によるとパククネ大統領がリッパート大使が入院する病院に見舞い、「2006年に自身も顔を切りつけられ同じ病院で手術を受けた事がある。その後の人生は”おまけ”として考え、国の為に生きてきた」と自身の経験を語った。
報道の内容からは直接的な謝罪の言葉があったかは判断できないので言及はしないが、テロリストという特殊な例とはいえ、韓国国民の行動によって負傷した人に対して「同じような経験をした」と語るのは価値観の違いを感じる(日本人独自の価値観なのだろうか・・・?)。
ただ、文面からは大使はパククネ大統領に同調していることが分かる。建前である可能性もあるが、大使の役割は両国の親善を担うことなのでパククネ大統領の訪問には好意的に捉えている可能性もあると考えられる。
愛犬家であるリッパート大使に犬肉とワカメを贈る
韓国の70代の男性が愛犬家のリッパート大使に犬肉とワカメを贈ったことで賛否両論だ。
韓国では犬肉は滋養強壮に良いとされていて、ワカメも見舞い・祝い事などに食されるものなので一般的には見舞いの品としては適切だと思う。
想像するにこの70代の男性は大使が愛犬家であることは知らなかったはずだ(身近な人でない限りプライベートな情報は知りえないだろう)。そして、大使も韓国に住んでいる以上、犬肉は一般的な食文化として知っているはずだから不快に思う可能性は低いと思う。
そもそも、愛犬家だからといって犬肉を食べないとは限らない。韓国人にも愛犬家はいるけど犬肉を食べるし、日本人だってイルカが賢く優しい動物だと知っているけど食べる。ミニブタを飼っている人だって豚肉を食べるわけだし。
パククネ大統領の義理の弟が病院前で断食座り込み
おそらく最も異質だと感じるのがパククネ大統領の義理の弟であるシン総裁が行っている、謝罪の意を表すための断食座り込み行為だろう。
日本のネットの反応では「嫌がらせにしか見えない」とか「意味不明」という声が多いが、韓国では最上級の謝罪の方法なのだろう。日本だって江戸時代中期ぐらいまでは切腹が行われていて、外国人にとっては理解しがたい異質な行為だと映っていたわけだ。
韓国セウォル号の沈没事故でも断食によって救出を願う人が続出したことを考えれば、今回の事件の重大さを真摯に受け止めての行動だということは明らかだ。
でもさすがに全快を祈願するイベントやらダンスというのはやりすぎだと思う。善意であってもね。先進国である以上、もう少し国際感覚を身に付けた方が良いと思う。
おわりに
今回の事件は米韓関係が大きく悪化するのではないかと危ぶまれたが、リッパート大使が「米韓関係発展のために最善を尽くしたい」と発言したこともあり、とりあえずは安堵といったところだろうか。米韓関係が崩れれば日本が影響を受けることは確実だ。今後の動向に注目したい。