なぜ保守・右翼・嫌韓派は『日本人慰安婦』の存在を無視するのか?
2015/05/13
「愛国」を盾に韓国叩きに必死な人は自分の祖母や曾祖母が慰安婦である可能性を考えないのだろうか?”高級売春婦”などと言って慰安婦を蔑む行為は日本人や自分の身内をも蔑む行為なのだ。それとも日本人慰安婦は「合意の上で不正は無かった」とでも思っているのだろうか?
韓国の主張では最大20万人の慰安婦がいたとされているが誇張もあるだろうから10分の1の2万人を推定人数とする。単純にその内の半分が日本人慰安婦だとしても1万人もいるわけだ。
「日本人慰安婦なんているの?騒いでるのは韓国ぐらいでしょ?」という意見もあるが、慰安婦であることを明らかにすれば軽蔑されるのは間違いない。本人だけではなく家族までが対象になる。だから誰も事実を口に出来ないのだ。
もちろん、慰安所の酷い実態を語った日本人慰安婦もいたが、軽蔑どころか”日本の不利益”を話すという理由で「売国奴」「反日日本人」などと暴言を吐きかける輩がいるのが現状なのである。こういう酷い有様を知ると「愛国」という言葉がいかにチープか分かる。
「慰安婦になること自体が異常だ」とか「慰安婦は高級売春婦だ」などと言って蔑む人がいるが、そうしないと生きていけない時代だったことを知らないのだろうか?「綺麗」な仕事だけやって生きていける時代ではなかったのだ。実際に私の祖父の兄弟は戦時・戦後の貧困により餓死している。それだけ生きることが難しい時代だったのだ。
また、「強制連行は捏造なんだから日本は悪くないだろ!」という意見がある。しかし、強制連行が無くても慰安婦が非人道的な扱いを受けていない証明にはならない。戦時よりも遥かに安定した現在ですらパワハラ、セクハラといった不当な扱いを受ける人が大勢いるわけだ。それに不祥事だらけの政治家が蔓延っている。今の日本を見て、今より過酷な時代の慰安婦が優遇されていたなどとは想像できるはずがない。
あまり語られることは無いが慰安婦特有の問題もある。それは「客」だ。慰安婦に限らず現在の風俗嬢でも起こり得ることだが、酷い客に付くことになればレイプまがいの事が起きるのは容易に想像が出来るだろう。本来なら管理者が止めに入るところだが、戦時の荒れた状況で管理を徹底出来ていたとは思えない。たとえ非道な行為をしたのが客であっても管理者が責任を持つ必要がある。
韓国叩きに必死な人は一度頭を冷やすべきだろう。「国を守る為」などと言って自国の人を貶め虐げていては元も子もないのだ。韓国の過度な要求に対しては批判的な目を持つ必要もあるが、手段を誤れば身内を傷つけるだけでなく国の信用を失いかねないのだ。