空爆こそがイスラム国(ISIS)の目的なのかも知れない
なぜイスラム国(ISIS、ISIL)がテロを起こすのか、なぜたった2万人の兵力で世界中に牙を向くのか、考えたことありますか?
先日、エジプトの人質がイスラム国に殺害され、エジプト軍による空爆での報復が開始されました。事態はますます悪化しているように思えます。
ネット上の意見を見ているとアメリカの空爆やヨルダン・エジプトの報復攻撃を支持する声は非常に多いです。そういう人は決まって「テロに屈してはならない。テロリストを殲滅することは当然!」と言います。しかし、この考えこそがテロリストの思う壺だと思うんですよね。
欧米への憎悪感情を拡散させることが本当の狙い
先日イスラム国はヨルダンの空爆により人質であるアメリカ人女性が死亡したと報じています。空爆を支持する人は「空爆を止めて欲しいから言ってるんだ!だから聞く必要は無い!」と言いますが、私の見解では全く逆。欧米に対する憎悪感情を世界中に拡散させる為にこの発表をしたのだと思います。
イスラム国の戦闘員は日常的に自爆ベルトを常に身に着け、いつでも自爆できる状態にしています。そして、たった2万人の兵力でその100倍以上の兵力を持つ世界と対立します。そもそもイラク戦争のことを考えればアメリカが当たり前のように空爆をやることは織り込み済みなわけです。つまり、彼らは死を恐れていない。そんな彼らが「空爆を止めて欲しい」と懇願するでしょうか?
つまり、彼らは空爆を止めて欲しいどころか空爆を望んでいる。空爆により罪の無い一般市民を大量に巻き込むことで欧米に対する憎悪を世界に拡散させることが本当の目的なのだと思います。現に世界各地でイスラム国に触発されテロを起こす人が続出しているわけです。明らかにイスラム国が望む方向に向かっています。
空爆では世界各地にいるテロリスト予備軍は殲滅できない
今、イラクやシリアにいるイスラム国戦闘員を殲滅出来たとしても、世界中で生まれつつあるイスラム国戦闘員候補者は一体どうやって殲滅するのでしょうか?テロリストであっても見た目は普通ですから実際にテロを起こしてからじゃないと対応は難しいと思います。空爆を続ければこういった候補者が次々に誕生するでしょう。いずれは手に負えなくなるのは間違いないと思います。
今後の世界の安定を考えるのであれば、テロを殲滅することよりも「テロを生み出さないこと」をより重要視していかなければ永遠に負の連鎖が続くと思います。