野党が「保育士給料1万円増額案」提出。与党よりマシだが結局野党も分かってない。保育士不足を解消するにはこうするべき
2016/03/23
先日の「保育園落ちた」問題の自民党の対応の酷さで、自民党が国民のことを全く考えていない事が発覚したわけですが「それでは野党はどうなのか?」という話になります。
野党は「保育士の給料を月1万円の増額する案」を提出しました。
たった1万円で保育士不足が改善されると? → 野党は月5万円増額案を3月24日提出だそうです。
これは大きな前進と言えるでしょう。1万円では生活は変わりませんが、5万円なら食事光熱費ぐらいになりますからね。
待機児童問題に悩む親御さんの悲痛な叫びを、「匿名だから事実か分からない」と言って無視する安倍首相率いる自民党よりはマシですが、たった1万円でどうにかなると思っているなら、野党も庶民の実情が理解できていないということです。
資格を持ってるのに働かない”潜在保育士”が60万人いる事実
保育士不足がしきりに騒がれていますが、実は保育士になる資格があるのに保育士にならない人が60万人もいるんです。
人材は十分にあるんです。しかし、「条件が合わないから保育士にはならない」という選択をした人が日本には溢れているんですよね。
資格を持ってるのに保育士にならない2つの理由
何故資格を持っているにもかかわらず保育士にならないのか?それには2つの理由があります。
1. 給料の少なさ
第一に挙げられるのが給料の低さです。
保育士の月収は世の中の平均よりも10万円以上少ないという統計が出ています。
こちらの記事によると、勤続年数6年目でも手取り14万円しか貰えません。大卒初任給の手取りの平均が16万~17万円と言われているわけです。6年働いても大卒初任給より3万円も少ないって酷過ぎる待遇ですよね。
この金額じゃ普通に生活できるのかすら怪しいところです。これじゃ人が集まらなくて当然です。
2. 精神的苦痛の大きさ
保育士のもう一つの問題がモンスターペアレント。
行動が読めない小さな子どもを預かるという仕事の性質上、避けようの無いトラブルが起きてしまうものです。
それに保育士は一人で数人の子供の面倒を見なくてはなりません。一瞬目を離した隙に子供がケガをしてしまうこともあるわけです。
ケガをしてもきちんと説明すれば納得してくれる人が大半だと思いますが、そうでない人もいますよね。
避けようの無いトラブルを執拗にバッシングされるのはとても苦痛です。それに見合った給料が貰えるならまだしも、6年働いても大卒初任給以下の給料しか貰えないのでは救いがありません。
保育士を確保するにはこの条件を満たせば良い
保育士を確保ために政府がやるべきことは既に分かり切っていますよね。
先ほど述べた、
- 給料の少なさ
- 精神的苦痛の大きさ
この2点を解消すれば良いわけです。
逆に、この2点が解消出来なければ今後も保育士不足は続くでしょうね。
仕事として保育士をやるからには最低限の賃金が必要です。生活に必要な賃金が貰えなければ他の職種を選ばざるを得ないのです。
そして、精神的な苦痛を少しでも和らげる為に、子供を預ける親の意識を変える必要もありますし、カウンセラーによるケアも充実させる必要があるでしょう。
まとめ
保育士不足を解決する方法を一言でいうなら「保育士になりたい」と思える待遇・環境を実現することです。これが全てです。それが出来なければ人材は他に流れるだけです。
裕福とまではいかなくても、平均的な生活をするのに困らないぐらいの給料が貰えなければ人は増えないと思います。
また、保育士確保の為の財源の問題がありますが、2014年末に「やる意味が無い」という多数の反対意見を無視して、安倍政権が強行した解散総選挙に700億円もの無駄遣いが出来るのだから、保育士確保という本当に必要な事に700億円費やすことは難しくないはずです。
それに保育士の確保は、少子化対策には必要不可欠です。安心して子供を預けられれば、出生率が増え、大きな国益となります。だからこそ政府はこの問題に全力で取り組むまなければいけないのです。