安倍談話の影響か?外務省HPから南京大虐殺・慰安婦問題についての記述が削除
『歴史修正主義を認めてはならない』
安倍談話を発表する少し前に外務省HPから南京大虐殺と従軍慰安婦問題に関する項目が削除されたことをご存知でしょうか?
以下の内容はグーグルにキャッシュされたものです。実際にはリンク切れでページは表示されません。
削除された『南京大虐殺』についてのページ
問6.「南京大虐殺」に対して、日本政府はどのように考えていますか。
1. 日本政府としては、日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています。
2. しかしながら、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難であると考えています。
3. 日本は、過去の一時期、植民地支配と侵略により、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたことを率直に認識し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを常に心に刻みつつ、戦争を二度と繰り返さず、平和国家としての道を歩んでいく決意です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/qa/08.html
削除された『慰安婦問題』についてのページ
問5.慰安婦問題に対して、日本政府はどのように考えていますか。
1. 日本政府としては、慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題であると認識しています。政府は、これまで官房長官談話や総理の手紙の発出等で、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し、心からお詫びと反省の気持ちを申し上げてきました。
2. この問題を含めて、先の大戦に係る賠償や財産、請求権の問題は法的に解決済みですが、政府としては、既に高齢になられた元慰安婦の方々の現実的な救済を図るため、元慰安婦の方々への医療・福祉支援事業や「償い金」の支給等を行うアジア女性基金の事業に対し、最大限の協力を行ってきました。
3. アジア女性基金は平成19年3月に解散しましたが、日本政府としては、今後ともアジア女性基金の事業に表れた日本国民及び政府の本問題に対する真摯な気持ちに理解が得られるよう引き続き努力していきます。
4. (参考1)アジア女性基金による活動概要
・政府等が元慰安婦の方々の認定を行っているフィリピン、韓国、台湾では、計285名の元慰安婦の方々に一人当たり200万円の「償い金」のお届けと、医療・福祉支援事業を実施。
・元慰安婦の方々の認定が行われていないオランダでは、「オランダ事業実施委員会」が実施する慰安婦問題に関する方々の生活改善支援事業に対し、3年間で総額約2億5,500万円を拠出、計79名の方に支援を実施。
・元慰安婦の特定が困難であるとするインドネシアでは、同国政府の行う高齢者社会福祉事業に対して、1997年から10年間で総額3億8千万円規模の支援を行うことで合意、2005年1月の時点で21施設が完成し、約200名が入寮。
・なお、アジア女性基金はインドネシアの「償い事業」の終了に伴い、2007年3月をもって解散しました。(参考2)慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話(抜粋)(1993年8月4日)
「今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。」「いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/qa/05.html
後日、”修正が加えられ”再掲載される模様
この他にもいくつか削除されたページがあり、その理由を外務省は「更新作業の為」としています。しかし、一般的に更新作業の為にページを削除する必要性は無いんですよね。
あえて削除した理由は現状の内容に不満があり、安倍首相が思う歴史認識に書き換えたいという気持ちの表れではないでしょうか。
そもそも、本当の目的は削除することで、追求されたから仕方なく「更新の為」と理由を後付したようにも思えます。そのほうが辻褄が合いますからね。
安易に歴史を修正すれば信用を無くす
当ブログでは何度が書いていますが、中国・韓国からバッシングされるのは『一貫性』が無いからなんですよね。
これまで、罪を認め真摯に謝罪してきたのに、「そんな事実は無い」「捏造だ」「もう謝らない」と言って歴史認識を覆せば、これまでの謝罪は意味をなさなくなってしまいます。
今回の件も同じです。どの程度修正が加えられるかは分かりませんが、これまでと主張を変えることは中国・韓国に「今までの対応は一体何だったのか・・・?」と不信感を募らせることになります。
子供たちに罪を背負わせないために
あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。
このように安倍首相は談話で述べました。
しかし、今回安倍首相がやったことは中国・韓国の感情を逆撫でする行為です。当然、より一層謝罪を要求されることになりかねません。
子や孫に罪を背負わせない為には、中国や韓国と友好関係を深めること、真摯に対応すること、そして確たる証拠で事実を明らかにして今の世代で決着させることが重要です。安倍政権がやっていることはこれらとは矛盾しているように感じざるを得ません。