古舘伊知郎の「空爆もテロ」発言が大炎上。何が悪いの? 圧力をかけて黙らせようとする方が恐ろしい
先日、テレビ東京のニュースキャスター古舘伊知郎氏が「シリアの民間人からすれば有志連合の空爆もテロ」という旨の発言したことがきっかけでネットを中心に大炎上に見舞われているようです。
この発言の何が問題なんでしょうか?
古舘伊知郎「有志連合の空爆もテロ」の真っ当な発言が炎上! 自民党と右派勢力がテレ朝、TBSを狙い撃ちか
空爆の本質はテロと変わらない
厳密に言えば空爆はテロとは異なりますが、自らの正義の為に無関係の人を犠牲にするという点では何ら変わりありません。
しかも、空爆は7000〜9000回という膨大な回数が行われています。イスラム国の施設を狙って攻撃しているとはいえ、支配地域には大勢のシリア人やイラク人が暮しているわけですから巻き込まないわけが無いんですよね。空爆の回数からしてイスラム国よりも欧米の空爆による犠牲者の方が多いと考えるが自然です。
日本でテロが起きて空爆されたらどう思うか?
先日の記事にも書きましたが、同じ事が日本で起きても空爆を非難せずにいられるのでしょうか?
今回はたまたまシリアやイラクがテロリストの拠点になっていますが、かつてのオウム真理教のように日本を拠点としたテロリスト団体も再び生まれるかも知れません。テロ範囲が日本国内であれば外国はノータッチですが、国際的テロであればアメリカやフランスが日本に対して空爆を行うことになりかねないんですよね。
そうなれば当然、逃げ遅れた人達は空爆によって殺される事になります。日本は人口密度が高い国ですから空爆による犠牲者も多くなるでしょう。亡くなった家族や友人、知人にとってはアメリカやフランスはテロリスト同然だと思うはずです。空爆が行われなければ、いずれ解放される可能性だってあるわけですからね。救えるかも知れない命を絶つことにも繋がるわけです。
圧力をかけて批判意見を言論封殺することの問題性
再度言いますが、空爆とテロは厳密には異なるとしても、犠牲者にとってはテロと何ら変わらない行為なわけですからテロと同等の批判・非難が起きるのも当然なんですよね。
空爆を支持するのは自由ですが、圧力をかけて批判を封じ込めるのは民主主義国家としてはあり得ない行為です。むしろ、ジャーナリストであれば空爆の残酷さも多くの人に伝えるべきです。散々空爆が行われてきた今も状況は悪化する一方である事実があるように、空爆という選択が誤りである可能性もあるわけです。だから、より良き選択の為にはこういった批判・非難も必要なんですよね。
また、圧力をかけて批判を封じ込めるという事は『空爆は正義だから犠牲は仕方が無い』という考えを強制するという事なんですよね。
これってテロリストと同じ思想だと思いませんか?
テロリストは思想に反する者を処刑しますが、空爆を支持する人達は思想に反する者に対して言論封殺を行う。度合いは違いますが、根本的は同じなんです。エスカレートすれば暴行・殺害にまで発展しかねません(実際それに近いことは起きてますが・・・)。
おわりに
安保法制強行採決の少し前に起きた自民党・安倍政権による言論封殺問題の影響が、今回の炎上問題にも表れていると感じました。日本国外からの脅威だけではなく日本国内からの脅威も無視できないと思います。日本の行く末が心配になりますね。