【中国杯】羽生結弦選手を棄権させなかったコーチ陣の対応を批判せざるを得ない
2015/03/03
先日フィギュアスケート中国大会で日本の羽生結弦選手が中国の閻涵(エンカン)選手と衝突し流血沙汰になったアクシデントについて、コーチ陣は羽生選手を何故棄権させなかったのか批判せざるを得ません。今回はこのことについて私の意見を書こうと思います。
本題に入る前に一つ。
- 「わざと衝突し負傷させた」
- 「中国人は汚い奴等だ」
- 「中国人は勝つ為なら何でもやる」
というようなエンカン選手への誹謗中傷がネットで多く見られるのは非常に残念です。そういう人にはフィギュアを見てもらいたくないです。
フィギュアはジャンプ前のスピードが時速30キロ近くになる為、その状態で正面衝突すれば最大で時速60キロで衝突するのと同じ衝撃が加わるわけです。下手したら死亡事故にもなりかねないのに一体何のためにワザとぶつかるのでしょうか?両選手ともスケートに人生の大半を捧げてきたわけで、それを棒に振るようなことをするわけがないのは少し考えれば分かることです。
暗黙の了解で王者優先で下位の選手は避けることになっているようですが、今回の件は一部の情報によると羽生選手が逆走していたとのことなので責任は五分五分と言ったところでしょう。そもそも、自分の演技に集中したら周りが見えなくなるのでこういった事故は避けられないのではないでしょうか。 不明確な情報であるため削除しました。ただ、もし暗黙でもルールがなければ相当危険だと思います。何らかの改善が必要でしょう。
それでは本題に入ります。
羽生選手を棄権させなかったコーチ陣の対応は間違っている
今回の件、ネットを見ると「羽生選手すごい!」「感動した!」という感じで美談になってしまっていますが、それはどうかと思います。確かに、羽生選手の気迫とか折れない心は凄いし賞賛されるべきものですが、美談にするには危険すぎると思うんです。
コーチ陣は「羽生選手の意思を尊重した。大丈夫そうだと思った」という旨の発言をしていますが、自分の実力を試せる数少ないチャンスなのに「棄権します」という選手はいないと思うんですよね。だからコーチ陣は心を鬼にして棄権させるべきだったんです。
事故後の演技を見れば不調だったことは誰が見ても明白だったし、実際ジャンプも転倒していたわけです。今回は幸いにも無事滑りきりましたが、あのようにフラついた状態で4回転を飛んで再び頭を打ち付けることがあったら命を落としかねないわけです。その責任を一体誰が取れるというのでしょうか?
おわりに
そもそも、複数の選手が入り乱れる練習滑走自体が問題のあるシステムだと思うんですよね。過去にも同じような事故が起きているわけです。死者が出てからでは手遅れなんです。
従来の練習滑走を禁止して、各選手の演技の前に一人で練習できる時間を設けたりするだけでこういった事故は防げるはずです。これ以上被害を出さないためにも一刻も早く対策を講じるべきではないでしょうか。