集団的自衛権に固執することは日本の弱点を露呈するようなもの
2015/07/20
集団的自衛権に反対すると「反日・売国奴!」だの「どうせ中国人か北朝鮮人だろ?」だの「日本から出て行け!」といった暴言や人格否定の言葉を浴びせられることは珍しい事ではない。大変気分が悪いがそれ自体は大した問題ではない。問題は集団的自衛権に固執してしまう視野の狭さだ。
集団的自衛権は反対多数。しかし、絶対に反対というわけではない
集団的自衛権の賛成派・反対派の割合をご存知だろうか?2015年時点の統計は見つからなかったので2014年12月時点のものを紹介する。毎日新聞の統計によると集団的自衛権の行使について、「賛成」35%に対して「反対」51%と反対派が大きく上回る結果となっている。
2014衆院選:秘密保護法「反対」49% 集団的自衛権「反対」51%−−毎日新聞世論調査
しかし、ネットでは賛成派の声が大きく、反対派は暴言吐かれたり人格否定されたりするので「少数派なのかな」、「間違った考えなのかな」と不安になってしまいがちだが、多くの人が安倍首相の決定を不満に感じているのだ。
一応、私は集団的自衛権行使には反対の立場を取っているが、絶対に反対というわけではない。トータル的に見て国民の命を守ることに繋がると分かれば賛成でも構わない。また、多くの人がそう思っているはずだ。何よりも大切なのは「命」だからだ。これは賛成派にも同じ事が言えるだろう。
「日本を守るには集団的自衛権しかない!」という余裕の無い人達
一部の賛成派には「何が何でも集団的自衛権は必要だ!」という人がいる。反対派の人格否定するぐらい熱が入っているわけだ。安倍首相も例外ではない。国民に嘘をついてまで集団的自衛権にこだわっているのだから。
たしかに集団的自衛権は日本を守る為の「一つの手段」だ。だから必要なのは分かる。しかし、言い換えれば一つの手段”でしかない”のだ。
「抑止力」は交流を深める事でも高められる
中国への抑止力を考えるなら集団的自衛権でなくても、外交でも、経済でも、文化交流でも積極的にやっていけば抑止力になる。実際、中国人の6割が「日本人が好き」と答えているのだ。
6割が好きなら少しの努力で7割にする事も可能だ。7割を8割にする事も難しくないはずだ。中国人の大半が日本を好きになれば軍部は暴走できなくなる。このように良好な関係を築くことが何よりもの抑止力になるのだ。
集団的自衛権に固執すれば日本の弱点を露呈することになる
様々な手段があるの集団的自衛権にこだわるということは、外交力の無さであったり、それ以外の対策が見出せていない事を国内外にアピールするようなものだ(実際に日本の外交力は無いと言われているが・・・)。
集団的自衛権が抑止力になってくれれば良いが、もし、反日感情を強めるだけで全く効果が無かったらどうなってしまうのか?他人の人格を否定するぐらいなのだから絶対的な自信があるのだろうが、効果が無ければそこで日本は終わり、打つ手無しということになる。そうなれば日本はアメリカに依存するだけで何も出来ない弱い国だと世界に知らしめるだけではないだろうか?
あらゆることを模索する柔軟な考えが必要
「日本を救うには集団的自衛権しかない!」という視野の狭い考えでは、逆に日本を滅ぼす事になる。集団的自衛権を行使を視野に入れるにしても、文化交流はこれまで以上に盛んに行い、貧しい市民へのさらなる支援も検討するべきだ。また、多くの国がしているように北朝鮮と国交を回復させるのも選択肢の1つだ。それが抑止力に繋がるかも知れないからだ。
また、反発は必至だろうが場合によっては尖閣諸島を譲渡するのも選択肢の一つとしてアリだろう。当然リスクはあるが、逆に日中関係が好転して莫大な経済効果を生む可能性もあるのだ。要は一時的に損をしようと最終的に利益に繋がれば良いのだ。
関係が悪化しつつある各国の関係。それを改善にするには型にはまらない柔軟な考えが必要ではないだろうか。