強盗・殺人が発生件数異常すぎる。ブラジル貧困格差がもたらしたもの。
2016/07/31
ブラジルといえばサッカーやリオのカーニバルなど賑やかなイメージだったり、日本に鶏肉が輸入されていたりして食が豊かなイメージがあります。ブラジルの伝統肉料理シュラスコとか一度食べてみたいですね。
その活気ある生活の裏側には、こちらの記事で「ブラジルのマフィアがW杯でファウルを犯したコロンビア選手に報復声明を出した」と紹介したように日本では想像できないレベルで凶悪な事件が頻発しています。日本と比較すると殺人事件は50倍、強盗事件は400倍と文字通り桁が違うのです。街中をバイクでドライブしていると拳銃を突きつけられてバイクを盗まれたりしますからね。。。
凶悪犯罪の原因は根深い貧困格差にある
こういった凶悪な事件が頻発する背景には貧困格差があります。
ブラジルは世界有数の貧困格差大国といわれていて、国民の60%が平均所得の2分の1以下で生活し、さらに衣食や満足な教育が受けられない子供が2000万人以上存在すると言われています。なかでも深刻なのが親に捨てられて路上生活をするストリートチルドレンが900万人いるとされていて生活の為に麻薬密売している事実があります。ブラジルの総人口が2億人ですからかなりの割合で劣悪な環境で生活している子供がいることになります。
麻薬売買=マフィア・ギャングですから、子供でも殺人に加担したり被害に遭うことも珍しくありません。そこそこ年配のマフィア・ギャングも幼少期からそういった世界で生きてきたのでしょう。実在するファベーラ「シダージ・デ・デウス(神の街)」を舞台にしたギャング映画「シティ・オブ・ゴッド」ではそういったブラジルの負の部分が鮮明に描かれていますので興味をもたれた方はぜひご覧ください。ギャング映画ですがブラジルならではの明るさで後味は不思議と悪くない名作です。
W杯2014ブラジル開催はしないほうがよかったかも知れない
今回のW杯開催に際して反対デモがブラジル国内で起きていたことは有名ですが、今思えば当然のことなのかもしれません。
日本の価値観であれば「経済発展の為」といって開催するでしょう。
東京五輪招致の時も五輪開催するくらいなら「福島復興を優先しろ」という意見も多かったですが開催を優先したわけです。開催しても福島県民の生活を保証するだけの体力が国にあるから出来るわけです。
しかし、ブラジルの貧困格差を見ればW杯開催は間違いだったのではないかと思うのです。最低限の生活すら保証されない子供が2000万人もいる状況で多額の投資をしてW杯を開催することは生きるか死ぬかの危険なギャンブルです。そして追い討ちをかけるようにブラジルは歴史的大敗をし、暴動が発生し自殺者まで出るような事態です。
終わりに
今回は2014W杯が開催されたブラジルの貧困格差についてお話しました。一見すると活気のある国の裏側が腐敗にしている現状は衝撃的でした。シティ・オブ・ゴッドの時代から30年が経過していますが、同じようなことが今も起きています。ブラジル政府に策はあるのでしょうか。