麻生太郎:集団的自衛権、いじめを例えに出すのはナンセンス
2015/11/06
23日、麻生太郎副総理兼財務相が集団的自衛権を言及した際、いじめ問題を例えに出し波紋を呼んでいます。
<麻生副総理>集団的自衛権、いじめをたとえに
麻生太郎氏はこのように述べています。
集団的自衛権に言及した際、いじめをたとえに出し「勉強ができない、けんかが弱い、金持ちの子、これがいちばんやられる」と述べたことが分かった。
その上で「日本は間違いなく軍事力がある。しかしきちっと外から見えてない。金はあるということは分かってる。いちばん集中攻撃されやすい国が日本」と持論を展開。
まず、最初に本筋の前に簡単に集団的自衛権に関する私の意見を述べます。
集団的自衛権行使容認はデメリットがメリットをはるかに上回る
私個人の意見としては抑止力の為であっても集団的自衛権の行使容認には反対です。何故なら集団的自衛権の行使容認は必ずしも抑止力になるとは限らないからです。むしろ、挑発行為をみなされより関係が悪化する可能性もありますし、そもそも集団的自衛権は同盟国であるアメリカや米軍が配置されている国(韓国など)を守る為の権利ですから、抑止どころか日本に関係ない戦争に自ら参加することになるわけです。それに行使容認されたところでアメリカが日本を守るとは限りません。
集団的自衛権に関する記事をいくつか書いていますので是非こちらもご覧ください。また、その他のニュース関連記事もこちらで公開しています。
集団的自衛権、いじめを例えに出すのはナンセンス
さて、話の本筋になりますが、参照している記事自体メディアの偏向があると思いますので具体的な言及はしませんが、単純に集団的自衛権の話にいじめ問題を持ち出すこと自体が間違っていると思うわけです。
「金はあるということは分かってる。いちばん集中攻撃されやすい国が日本」と麻生氏が言っていますが、これは理解できます。しかし、集団的自衛権といじめ問題を同列に語れるほど単純な問題なのでしょうか?
集団的自衛権をいじめ問題に例えるなら、いじめを見ていた友人がいじめを制止するのではなく、いじめっ子を殺す(もしくはいじめっ子を新たないじめのターゲットとする)ということです。そうなればいじめっ子の仲間は報復に来て、延々と同じことの繰り返しになり負の連鎖となるわけです。悪い意味でしっくりくる例えではありますが、暴力(集団的自衛権)をいじめ解決の道具として扱うのは明らかに間違った考えです。
集団的自衛権に賛成しているのは右翼?左翼?
また、話は変わりますが集団的自衛権の行使容認に賛成しているのは右翼なのでしょうか?それとも左翼なのでしょうか?ネットの書き込みを見る「集団的自衛権を反対する左翼は~」みたいな発言をよく見かけるので賛成派の多くは右翼思想でありその中でも集団的自衛権の知識が浅い方だと思われます。
集団的自衛権を自国防衛の為のものと勘違いされている方が多いですが、先述したように同盟国を守る為のものです。国粋主義者や排外主義者(勿論そうでない右翼も多数います)の人達が他国の為に日本人の命を犠牲にするとは考えにくいわけです。
逆に「左翼思想であれば日本人を犠牲にしてでも他国に加勢するのでは?」という考えになるかもしれませんが、それは右翼と左翼のこれまでの対立をみれば言わずとも分かるようにそれは”ありえない”わけです。
ということで集団的自衛権賛成派は「中国政府への抑止力となることを信じ切っている右翼思想の人」、それか「メリットだけをはなしデメリットを一切口にしない安倍首相の説明を聞いて鵜呑みにしてしまった人」ということになるのではないかと思います。