2019年テレビ、ネット同時配信の問題点まとめ。NHK受信料は強制される?
2019年にテレビとネットの同時配信(放送)が開始されると総務省が発表しました。これによりテレビが無くてもスマホやパソコンでテレビ放送が楽しめることになります。
開始すれば利便性は向上しますが、著作権や費用面での問題も多く民放各社は消極的です(どういうわけだかNHKだけは積極的です)。
また、視聴者目線での問題点もいくつかあります。今回はそれらについてまとめていきます。
ワンセグ・フルセグとの違いは?
これまでもワンセグ・フルセグという形でスマホやPCでのテレビ放送は視聴可能でした。2019年から始まる放送はこれらと何が違うのか気になるかと思います。
違いは「使っている電波(回線)」です。
ワンセグ・フルセグはネットとは使用する電波(回線)が異なるので専用のチューナーが必要になります(ワンセグチューナーとか言いますよね)。それが2019年からはインターネットと同じ電波(回線)を利用することになるので不要になるということです。
映像の品質の面では、ワンセグ・フルセグを使ったことがある人は分かると思うんですが、メチャクチャ電波が悪くてとても見れたものではなかったんですよね。しかし、ネット回線を使ったYoutubeやHuluといった動画サービスは比較的快適で高画質です。それと同等の品質が実現するかも知れないのです。
スマホ通信量制限の問題
総務省は「スマホでいつでもどこでもテレビが楽しめる」事をアピールしていますが、そう簡単にはいきません。
スマホでネット回線を使うという事は、スマホユーザーお馴染みの憎き通信量制限の問題に悩まされることになります。多くの人がYoutubeを高画質設定で見て、あっという間に通信量制限にかかった経験があるかと思います。
720pの高画質設定で視聴して大体3~4時間で通信量が2GBに達するので、ドコモの一番安いプラン「データSパック2GB(月額3500円)」だと、たったの月3~4時間しか視聴できないということになります(参考)。
これでは「スマホでいつでもどこでもテレビが楽しめる」なんて事は到底不可能です。下手したら特番1本見ただけでその月の通信量上限に達してしまうわけですからね。
こういった致命的な問題があることを総務省は分かっているのでしょうか?
NHK受信料が強制される?
NHKの石原進経営委員長は(2016年09月)13日、将来的にテレビ放送をインターネットで同時に見られるようにする方針を示し、「公共放送を維持していくためには、ネット配信であっても何らかの受信料をいただく必要がある」と述べているわけですが(こちらより引用)、これは今回の件を視野に入れての発言なのでしょう。
テレビの地上波放送では色々と理由をつけて受信料を徴収してきたわけですが、ネットではそれは認められません。なぜなら、多くの動画配信サイトでは「会員制」が一般的だからです。
ニコニコ動画、Hulu、dtv、u-next、netflixなどこれら主要な動画配信サービスは全て会員制です。当然、NHKもこの一般的な仕様に合わせるべきなのです。
会員制にすれば必要な人だけが番組を視聴することが出来ます。その対価として受信料を徴収すれば良いだけの話なんです。だからNHK受信料が強制されることがありません。
もし、これをきっかけに会員制にすること無く、あらゆる人から受信料を徴収しようとしているのであれば、それはヤクザまがいの事をやっているということになります。
期待と不安に悩まされる事に疑問
通信量制限の問題など課題はありますが、スマホでテレビ放送が楽しめるようになるのは個人的には「期待」しています。しかし一方でNHKが独自の理論を振りかざして受信料を徴収しようと考えているのではないかと「不安」にもなります。
そもそもNHKのことで「不安」に悩まされる事自体が問題なんですね。NHKが真っ当な企業であればそんな「不安」とは無縁なわけですから。
本来ならテレビやネットのあり方が大きく変わる「期待」が持てる瞬間であるはずなのに、NHKのおかけでその「期待」が純粋に楽しめないのは非常に残念ですね。